玄関前から姿を消して
死んだと思っていたジニーは
台風が去って
ほとぼりも冷めたころ
ウッドデッキの隅に見えない糸を張っていた
風よけに集めておいたプランターを
少し動かそうかと身をか ....
ゆうやけが 夕暮がせまる 胸に
ひときれ恋がのこっている
生活の匂いが残る玄関にも
落としものみたいにひときれ
かわいた浴室の壁にひときれはりついて
灰皿には もえつきた吸い殻とひときれ ....
じわりじわりと湿気る午後。の、陽射し。
斜日を揺らし、波。で。
伝えてくる。く、る。
6月の花嫁。
わざわざ6月を選ぶなら、
8月の花嫁はどうするの。
胸騒ぎ。潮騒で。
....
公園のそばを通ったら金木犀がわずかに香って、まだ早い、まだ早いよ!って言いたくなりました。9月も終わってしまうよ。
その香りから思い出すのは壁にビラだらけの学祭とファイヤーストームの水かけ係でず ....
無知者には憐れみすら与えられない
たとえばシンポジウムの場で
松岡正剛にダメ出しされたり
生まれる前から決まっている
救われないことが決まっているのだ
三一論的に
....
朝一番の太陽が部屋を黄色く染め上がる
眩しさに眩暈を覚えながら
コーヒーをいれる
簡素な朝食
これが孤独の始まりの儀式
誰も振り向いてくれないのは
自分のことで精一杯だから
余裕がな ....
潮の満ち引きのような周期性を伴って、人々の感情が私の周りに波となって渦巻く。
例えるなら、私は砂浜に転がっている無数の二枚貝の一つだ。
灰色の雲の群れが、草を食む野生馬の群れのように ....
耐える
この激痛
眼球から涙溢れ
耐える
ひたすら耐える
折れてしまえば
俺の負けだ
意志を鍛えろ
魂の強度だ
報いを求めるな
無理に笑うな
悲壮になるな
悪態をつけ
逃げ道 ....
【アカツメグサ】
なりやまないドアホン やぶれた怒号は
親を町ごと殺され震えていた少女のままの老人
おさなくして大人として生きざるをえなかった あなたが
私の玄関を激しく叩く音
....
爪の泣き声が聴こえて指を見た指は若芽のようにぐにゃぐにゃと揺らいで
私の思考を悩ませた。指の爪には足が生えていた爪の足はとことこと浴槽
を歩いて空間中を旅しはじめた。ごきぶりのように爪の足 ....
画家になりたいって言ったら
馬鹿にされた
詩人になりたいと言ったら
嘲笑された
それでも下手くそなりに
詩を書いて暮らしてる
なりたい自分は見つからないけど
詩を書く自由は手に入れた
わたしは虫けら
幻をつかむように
漂っている
憂いに暮れ 悲しみを懐く
終わりにしたいと呟く夕暮れ
陽は滲み落ちてゆく
わたしは抜け殻のよう
風に吹かれ飛んでゆく
頬杖ばか ....
クリア オーロラ レインボー
あなたは どれが すきですか
わたしは ホワイト 忘れ得ぬ
幽霊みたいな 美しさ
重ねて行けば ブラックに
代わる不思議も あるでしょう
戻る戸惑い ....
「まだ」「もう」で
全然気持ちが違ってくる
「もう40歳」「まだ40歳」
「もう50歳」「まだ50歳」
「もう60歳」「まだ60歳」
「もう70歳」「まだ70歳」
「もう80歳」「まだ80 ....
雨降りの夜は哀しいな
悲しい記憶ばかり蘇り
こんなに暗い深夜をすっかり透き通らせ
ミシリとまたミシリと
疼き開いていく胸の響き
心を無数の雨滴が滑り落ち
雨降りの夜は哀しいな
....
渋谷での何度目かの面接
しかし 一日の中で
他にどんな変わったことがあったのだろう
気づいたら 思い出していた その 面接
私はこれからこの街でどう生きていくのだろう
しかし そ ....
朦朧と夜を徘徊した
あの日眺めていた月が堕ちてきて
治水が入れかわる
二日目には
新しい月がうまれた
かかえた罪はきえてくれない
守るべきものは風に流され
大切なこころが失われていく
あなたはけらけら笑いながら
「世の中なんてひっくり返してやるわ」
とおく街に 灯のとも ....
つきの、白いひかりが
しらないしあわせをてらし
ほしの、わらい声が
さきほこるしあわせをよぶ
ほおをなでるそよ風に
ささやきよりも深い
あなたのかなしみをきくとき
まもるものはみ ....
コスモが広がる
無限のコバルトの向こう側
ただ一つのスピカを求めて
両腕を力の限りに拡げて
それはまるで翼であるかのように
膝を曲げて
走るように
斜に構えて
疾風のご ....
煽り煽られ踊る火に
鳴りやまぬ枯木林の
奥の奥
紅蓮の幕は重なり揺れて
熾の{ルビ褥=しとね}はとろけてかたい
静かに 微かに
波打つ青い心臓のよう
円くなって まどろむ
火蜥蜴は涼 ....
静かに静かに雨が降る
私の中にも雨が降る
しとしとしとしと
しとしとしとしと
塗れた体は冷え切って
髪から落ちる水滴が
場違いなリズムを刻んでる
バスタオルにくるまって
ほんの ....
ぶどうはたくさん実がついてるけど
どれが甘いのかはわからない
あたしは結局手がだせずに
秋が深まるのをみているだけ
あなたはどんどん歩いて行くから
細い影にすがりつきたくなるよ
晴 ....
私は、幻をうたう
知らないふりをしてわらう
白兎が穴の中に滑り落ちていく
言葉を喋る白兎
それはそれで好きな終わり方だから
幻を受け入れる
それは私のなかのきっともう一つの現実
夢をわら ....
返り咲く渦巻き二つ 一つは一つを覆うように 一つが一つを守るように もしかしたらそれは愛のようで 最適化されながら酔うように 回転しながら 光を発しながら 高貴な匂いを振りまきながら ぶつかって一つに ....
なんだかなぁ
目は痛むし心は鬱だし
何にもする気にならねぇなぁ
五十七の歳を迎えたこの九月末
外は青空いっぱいで
光が熱持ち降り注ぐ
道を歩けば金木犀の香
甘く甘く漂って
夏と秋と ....
まだインパールやガダルカナルみたいなことやってる俺たち
アメリカから見れば日本列島すべてが要衝だ
べつに沖縄だけが地政学的に要衝であるわけではないのに
あの基地の多さ大きさを放ってお ....
滑り台の上で遊んでいた頃
高い場所にこそ冒険はあった
地面に落ちる前の雪を食べて
イチゴ味の飴を舐める瞬間
季節外れのかき氷を知った
僕のポケットはいつも膨らんで
友達を呼ぶとすぐに来 ....
哭きながら 栃の実を探す熊
今年は身入りが少ないのと嘆く
貴重な食料源を探し求めて山の中を歩くと
苔生した石が見えて来る
古びた南部曲家の奥に眠っていた馬たちを
ゆっくりと回想す ....
上空
2000メートルの光が
秋の和毛を
優しく見せて
少年はイマジン
食欲を刺激
恋心に揺れたり
野を駆けるインパラ
層積雲の宮殿には
権力持たない
一人の王がいて
王座はいつ ....
1126 1127 1128 1129 1130 1131 1132 1133 1134 1135 1136 1137 1138 1139 1140 1141 1142 1143 1144 1145 1146 1147 1148 1149 1150 1151 1152 1153 1154 1155 1156 1157 1158 1159 1160 1161 1162 1163 1164 1165 1166
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
3.91sec.