透明な墓標のようなクリスタル
気がつくと
シャープペンシルの
芯の入ったケースを立てていた
マグノリア、ネロリ、ジャスミン
混ざりあった線香の入った紙箱
あの地震の後中で何本も折れてい ....
そんな夜も眠ったほうがいい
旅立ったあの女の部屋は荒れはてて
酔っぱらいの方言で
意味不明な尊い言葉が
炙り出されて
真っ黒に縮こまっていたあとが
ゴミ箱に投げ込まれている
....
ゴッホの描いた
向日葵よりも、
モネの睡蓮よりも、
葛飾北斎の
富岳三十六景よりも、
レオナルド・ダ・ヴィンチの
最後の晩餐
どの歴史的な名画も
素晴らしいが
俺の最高傑作は
三才 ....
どうせ
あたしを殺すなら
一回目にして欲しかった
一回目が終わったってこと
嫌でも耳に入るのだから
二回目ももうじきだって
なるじゃない
その間生きた心地がしなかった
怖か ....
蝉が告げる
夏を告げる
お医者さまが
わたしに癌を告げる
命の汗を飛び散らし
祈るように
こころから叫ぶような
真夏の青空を生きる。
船橋で降りると、そこは、大きな交差点で、ほぼ同じ大きさの,新京成津田沼と少し違い、東京も千葉も埼玉も、羽田も、成田も、船橋を通って行く場所だったから、ある意味で、象徴的な始まりの場所でもあった。いや、 ....
一晩泣き明かした女の瞳のように
周囲を滲ませる茜
いずれ世界を黒い血で染め上げようと
少しずつ茜を吸い込んでいく宵闇に
抗おうとして激しく魂を燃やす
だからおまえの朱色はそんなにも
....
雲が行く
夏空雄大に
雲が行く
時は刻々と移り進み
季節は淡々と入れ代わり
命は生まれ育ち輝き枯れて
人は何かに導かれつつ自らを更新し
雲がいく
大空悠久に
雲がいく
蝉は
土の中で七年過ごし
地表では一週間しか生きられない
人間の寿命は
七、八十年ぐらいだが
前世は三万年ぐらいあるのかもしれない
気流は常に
僕等を見降ろして
空の間を漂う旅人
指先から
聴こえる鼓動を
撒き散らしながら
運命を捨てる
鳥たちの声よ
トランプのカードで
窓を作れば
みんながダイヤの前に
....
台風が近づいている
のに
今日は昨日と変わらず晴天で猛暑だとテレビで予報を伝えていた
何だよそれ
連日太陽に焼き殺されかねない暑さ、というより熱さにすっかり参っているのに明日は台風が上陸か ....
②
「今日ですべてが変わるさ、
今日ですベてが、変わる。今日ですべてがむくわれる、
今日で全てが始まるさ。」
と、よく歌っていた時期があった。
イズミヤシゲルの唄の中でとか言 ....
カフェラテでいい?
うなずいて
禁煙席を探す君
手を振らなくても
だいたい分かるよ
少し静かな
ここが好き。
片方ずつでつながって
一緒に頬杖 ....
「夏休み」
夏休みになったら火星に行きたいね。
そんなことを言いながら、僕らは地球で空を見上げる。
「手紙」
手の届かない場所へ手紙を送るよ。
誰かが、そこにいてくれたらいいな。
....
軽快に車を飛ばしていくぜ
おれの得意の安全運転
丸い並木が手を降って転がってくぜ
湿度の高い暑さの中だ
おれの膝も言うこと聞かなくなって
(膝だって年寄りの繰り言なんざァ
聞きたかないだ ....
誰の気配も感じることのない
うすら寒い巻き上がる砂塵
呼吸さえままならない
静脈の血の色した払暁
幾度も幾度湧き上がる
否応なしに流転する未来
心の隙間をこじ開けて
侵入する凍え ....
夏に恋して
蝉がなく
一心に
悔いを遺さぬよう
声の限り、
思いのたけを告げるため
夏に恋して
蝉が一心にないている。
命の限り。
ヒサシブリに船橋を歩いた。
ここ数年、仕事で来たり、クルマで通りすぎたりしてはいたのだが、歩くことはしていなかった。
あれ?裏のシロキヤなくなったなと、気づいて、それで船橋の景色がすっかり ....
○それが自然なことなら
受け入れるしかない
どんなことであっても
○外出する時の
ぼくたち夫婦の合言葉は
「歯は入れた?」である
入れ歯は忘れやすいから
○「長生きしてよかっじゃ ....
獲物とは何秒か前に放たれた自分さ
無論、放ったのも自分自身 無意識だろうけどね
そうやって毎日へと送り出されてる
たったひとりでもシュプレヒコールを!
そう気付いた者だけに現れる選択肢があると ....
夏蝉泣く声 あの子の泣く声
血塗られたレールウェイ
涙流れ 流れ 流れて
あの子の苦しんだ証のあの赤い血は
颯爽と拭き去られてしまう
舌打ちするサラリーマン
夏蝉鳴く声 あの子の泣く声消え ....
愛を持った人は沢山いるのです
誰かは愛は身勝手なものというでしょう
体を合わせるのも愛でしょう
身代わりになるのも愛からのときもあります
ただ黙し聞き入れる愛もあります
....
自分で自分をあきらめない
ことが肝心。
「まだ、終わりじゃない、」
力が心の奥底で火となり
自身の道を照らし出す。
通勤経路に情熱を
新しいことに取り組むには
みんなに協力してもらうほかない
俺には友達がいないので
みんなが誰なのかわからない
もう10日も話しをしていない
バックレた時
俺の運 ....
あの夏 僕は
喧騒から 遠く離れて
小屋でも建てて そこで暮らそうと
一人になって 考えていた
死刑執行の 知らせを 届けに行った
公務員の 足音を かすかに聞きながら
なぜ 僕は
その ....
僕が生まれた日に
鳥は逃げた
命を貰ったような
気がして
空を描くことを
続けている
本当は飛べる
力があるのに
落ちることばかり
心配してさ
そうならないように
愛を描いて ....
有名になりたくない
金持ちにもなりたくない
誰かに褒め称えられたくもない
チヤホヤされたくない
何かを残したくない
ましてやクソゴミ自称詩なんか
ただ、旨いものが食いたい
旨いも ....
夏は白濁した光と喧噪をまとい
人は肌もあらわ日焼け止めをぬる
傾くのはグラスだけ海は静かに燃え
彼女は囁きのなか人魚になる
《テキーラ:2018年7月25日 ....
微睡みの午後、
熱風吹き
草木を濡らしていく天気雨
永久なる太陽の爆発を
束の間ベールに包む
時は始まりに向け終わりを紡ぎ
終点から反り返ってくる混沌の威容
この微睡みの午後に
発火し ....
無駄に人の肌を赤く塗装しようと
熱い吐息を吹きかける太陽が
まだまだ元気な夏の午後
河原を歩く僕の頭上に
久しぶりに出会った
それはそれは美しい
飾りっ気のない青空が
いつの間にか姿を現 ....
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