貧乳者が虐げられていることは
社会的な大問題だと
声高に主張する人は少ない
確かに世の中には
貧乳マニアが存在し
それ向けのAVもある
しかし、大多数は
美乳や巨乳が好きだ
....
白いクルマに乗って
知らない町に着いた
知らない人に会って
知らないうたを歌った
そのまますべて流れて
暗くなったら波音
ああ
知らない人になりたい
眠ることが
難しい夜に
錠剤を飲んで
心で溶かす
落ち着くようにと
処方された時間を
私のために
使ってくれる人
先に夜の歯車に
挟まれて
君を置いて行く
かも知れな ....
山間の小道はいつしか畳敷となり、やがて布団の上を行くことになった。枕やシーツに足を取られながら進むのはもはや森ではなく暗い屋内に取って変わり、果てのない広がりを手探り足探りで行くのは大層恐ろしく心細か ....
今日は爽やかな秋空
隣の山羊たちが
せっせと草を食んでいる
暑くもなく寒くもなく
爽やかな微風が吹いて
ちょうどいい
こんな爽やかな天気は
年に何日あるだろうか
死ぬ時はこんな天気の ....
天井にふくしが貼りついている
頼りなく「ふ」の字が剥がれかけている
重力に耐えかねている
見えないおもいに耐えかねている
布団の上で僕はそれを眺めている
貼り直す気が起きないことに
僕 ....
開かなくなった引き出しの数だけ
未来が閉ざされるような恐怖を
抱えたままの冬の陽だまりで
溶かしてしまおう逆立てた髪を
言いたいことがひとつずつ消えても
私はただの人に戻りたくはない
....
すずむし
うたう
秋
夜長
いつもの
うたかた
夢みます
こころ
凍らす
消えない
おもいで
あの手の
温もり
だけ
すてないで
ひとつ
ふたつ
みっつ
よ ....
その人は
一生の間に六匹の猫に出会うのだという
わたしが知っているのは
九回生まれ変わるという言い伝え
あなたに会いたくて
も一度生まれてきたんだろうか?
昔死んだしろちゃんに
....
ここは高層マンションの上の階で
地面より空の方が近い
お気に入りの窓辺で何時も
ビルと空と飛行機を眺めていた
風がカーテンを揺らす度
私の心の羽が少しずつ伸び
ビルをすり抜けて
街を飛び ....
ワイフが何か質問する
すると僕はそれに真面目に答える
するとワイフは
ああ、そうなの、とはいわない
たいていいや、それはちがう!という
そして言い合いになる
しまいには
ただ聞いただけな ....
10代前半女子しか
愛せない青年が
今にも犯罪行為に走りそうになるのを
実際は10代でも何でもない
140cmシリーズのAVを観て
必死に堪えているとしたら
誰がそれを非難出来るだろうか? ....
ふうっと
息をつくと
こびりついていた何かが
テーブルの端まで
遠のいた
そおっと
見渡すと
微かに青みがかった指先が
木の葉を鳴らすのが
見えた
自由になった
意識 ....
とまどい生きて 夜の果て
時過ぎて わたしは老いてゆく
いつまでも夢の中 さまよいゆくが
現実に生きてゆきたくも ついに秋きたり
病におかされ 苦しみ悶え
一瞬に旅立ちたいのに
神が許さな ....
波長が合わない音楽に
置いていかれた気がして
落とした涙が
トンボの羽根の
動きを止めていると
思ったのに
ちっとも動かずに
死体だと
気付いたせいで
そこには触れずに
....
駆けていく星が流星というなら
命のきらめきも同じだけ流星といえるんだ
わたしの星のはなしをしよう
夜明けが見えない遠くの星月
ここから先、指じゃないよ、あれを見て
暗闇を切り続ける君の粒子が ....
田んぼと田んぼの間の細い道。その道端に夏草が生い茂っていた。
道の上に陽炎が立って揺れていた。
普通の人は誰もが忌み嫌う蛇がくさむらのなかに潜んでいた。
少女は夢のなかに現れた
少年は夢を ....
秋の、早朝の、爽やかなころ、
あえて、徹夜で、詩を書いてみたら、
こぼれおちた、言葉たちは、まるで、
珊瑚礁のように、真っ白なノートの、
深海で、輝いて、希望を、照らしている
あ ....
ライオンが駆けキリンが跳ね
シマウマがゾウが土煙をあげ
太陽が沈むまで
バッファローがハイエナが
ぼくのこころは永遠に雄大だ
主義ややり方
人間関係や政治力
....
ぴこん、ぴこん。
人もまばらな仄暗い駅のホーム。
まるで、テレビゲームでハイスコアをとった時のような、軽快な音。
電車がホームに来ることを告げるものだった。
何もかもがばかばかしくなる ....
秋の雨はしとしとと降る
仄かな月明かりを纏い
冷たい風を誘う
闇がじわじわと迫り来るのを
背後に感じながら
長靴を履いて
せめて足取りを軽くして
色づく落ち葉が降り積もる
....
──幻詩の果てへ。
若い詩人のかさぶたは、0と1に濡れていた。端からゆっくり剥がしても、爪をたて一息に削っても、いつも同じ、0と1が滴るかさぶたを、うたうよりも速く書き写し、有事の際には、また ....
マスコミや世論におもねって
恥ずかしいと思わない奴は
何をやってもダメだ
とりあえず
こいつらとは逆、逆行けば
間違いないことに
いい加減気付け、ドアホ!
LGBTに
SとS( ....
剃刀みたいな言葉にも愛情は宿るのだと信じていた。切っ先のひかりを盲目的に見つめて、この体がふたつに切り落とされる瞬間、左右どちらの器にあたしは棲んでいたのだろう。解を得ないまま伏せるまつげのすきま、き ....
血や肉に変わる
栄養がメロディだった
肩で捉えた朧げな
始まりと終わりを
狭いアパートで
録音をした
仕事や買い物も
忘れがちで
それでも何ひとつ
奪われたくなくて
時 ....
ひたすら憧れて
螺旋階段を昇っていく降りていく
根無し草の宙吊りで
呼ばれるように拒まれるように
(何一つ叶えられることはないのだと)
遠い遠い鐘の音を追いかけながら
ただひたすら憧れて
彼女はほんとうは、登ろうとしていたのではないか
山頂の標識に手を触れると、もうすることはなかった
あたりは一面雲の中で、遠望できるはずの峰々も麓の集落も、
あるいはどちらが上でどちらが下なの ....
みんなと同じ服装
みんなと同じ髪形
みんなと同じ食べ物
みんなと同じ考え
みんなと同じが幸福
みんなとちがうと不幸
これじゃ
造花ばかり
生きた花は咲かぬ
ワイフは
毎日隣の犬との散歩を
楽しみにしている
毎夕1、2時間ほど散歩している
隣の飼い主が
仕事や介護で多忙なので
かわりにやっているのだ
毎日やっているので
「一回いくらでやって ....
落日の量る太陽の重みを
その身の上に遊ばせて
女は隠れた感情に名付け始める
喜びも悲しみも薄く展開していき
愛は少しずつ輪郭を明らかにする
女は陽射しのパンを食べ
風の美酒を飲み干 ....
963 964 965 966 967 968 969 970 971 972 973 974 975 976 977 978 979 980 981 982 983 984 985 986 987 988 989 990 991 992 993 994 995 996 997 998 999 1000 1001 1002 1003
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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