懐かしい歌が頭の中に流れる
まだわたしが少女だった頃
わたしの世界を満たしていた音楽
こんなに遠くへ来ても
忘れることの無い歌
少しだけ口ずさめば
貴方が思い浮かぶ
まだ何も知ら ....
私の怒りはなんの助けにもならない
だから怒らないほうがいい
どんなに苛つくことがあっても
怒りを抑えて
ひたすらに堪えて
怒ることなどしない方がいい
そうはいっても
いつも笑顔ではい ....
階段を駆け上がる音
せわしなく語り尽くす亡者たち
今 ここに
灰汁だらけの挑戦状が 叩きつけられて
扉に飛び散る液体が ワイン色の微笑を称えた瞬間
零れ出す 笑顔の中に埋まる ....
あたし、内縁の夫
当然無職なんだけど
アイツに子供殺された
前のダンナとの子供で
いっつもぐずって
思いっきり殴られてたから
いつかそうなるなって思ってた
でも、あたし、まだ19だったし ....
ナイフをあいつの腹に突き刺して
すーっと腹からナイフを引き抜く
血がナイフにうっすら付いてる
真剣に死んでゆくあいつ
ありがとう
ナイフをペロペロ舐める
美味しい血だ
ズボンをおろして地 ....
美しいもの。
鉄塔のあいまからこぼれ落ちた夕暮れ、
逆光のなかに貌のない雑踏、
砂時計をころがす赤児、
美しいもの。それは指揮者のない調和、
影のない演奏の旋律。
開いた本の頁が
ほんのり茜に染まる頃
太陽は傾きながら爆発し続け
西空はやがて色彩渦の奔流となる
わたしは本から顔を上げ
地上の夕べの目眩く一瞬を
遠退く意識に刻み込む
夜闇が忍び込 ....
涼やかな風吹き抜けて
水辺のススキ銀に揺れ
水面に君の顔ゆらゆらと
浮かび消えては透き通る
まことに秋の時は行く
静かに確かに冬を呼び
皿の上に1/4に剥かれて干からびた林檎がふたつ
淋しくて寄り添うように折り重なってる
音のない世界にカサリと観葉植物の葉の落ちる音
それでも君は決して起きたりしない
のそのそと目覚める ....
光る宝石を身に付けた時は
それより輝く命を見逃す
一瞬の煌めきの中で揺れる
原石を持った人の夢だから
重たくて軽い口笛を吹くと
眩しい世界へ届きそうになる
真っ白なノートを開いただ ....
見慣れた景色にさよならを告げて
目新しい景色には今日からよろしくと呟いた
真っ白なノート
予定も何もない
一文字目を書くのは
さぞ緊張するだろう
まだ何も書かれていない
新品のキミ
わたしはキミを汚しながら
明日を生きていくんだ
いい友達にな ....
枯れ葉がからから
秋の子どもたちの
足音、からからと
町ゆくひとの足を
いたずらに撫でて
風のような笑い声
枯れ葉を燃やせば
秋の子どもたちは
舞い上がりおどり
それを見 ....
常夏の陽が波にとけ
波の子生まれ遥々と
この島国へ流れ流れて
夏を運んで、春を流して
波の子ゆすら
ゆすら、すら
鰯の群れや鯨の髭を
気ままにゆらし
ゆすらすら
浜辺に埋め ....
例えば僕がこんな夜更けから
突然珈琲を淹れだしている今、
君は同じ国の中で
ところで何をしているんだろう
などと思う
君が誰かを強く想うとき
僕も誰かを強く想っていて
二つの想い ....
何物かからのご加護にあずかっている
そんな感受性は失言かウソだ
浅すぎてポンプでも吸えない
何物かのご加護などないのだ
ただひとびとと生きていくだけなのだ
価値観やレ ....
ある日
休日でした
朝から無性に海を見たくなってしまい
妻を誘い、まだ小さかった二人の娘も車に乗せて
一路海に向かって走りました
天気は晴れでしたが雲は浮かんでました
海岸道路から海に ....
礼二:と言いましても唇青しオバマ大統領ですが
孝二:ん?
礼二:こんばんは、礼二で~す
孝二:こ、孝二で~す
二人:アウト礼二・孝二で~す!
礼二:ここんところ、めっきり寒くなって
孝二: ....
彼女は 指を噛んだ
ががりり と 噛んだ
男は痛がった
彼女は哄笑した
グラスが弾けた
男は顔を赤くした
彼女は 指を噛んだ
ががりり と 噛んだ
彼女は歯を見せて笑った
冷たい ....
哀れな英雄は
金属質な黒い体を
ますます黒くして
冷たく硬くなってゆく
さっきまで
大きな夢の英雄は
馬にまたがり剣掲げ
青白の空背に睥睨する
そんな姿を見ていた
はずなのに
....
夜半からの雨が 霙交じりの雪に変わった
とは 勘違いだった様だ
どうやら霰らしい
霞がかった空の向こう側に 淡く光る山並みも
今日こそ凍えている
震えるならば 今この瞬間であれ、 ....
雨の鳥
夜は狭く
髪の内の海
霧は軋む
いつのまにか 朝は文字になり
昼には音になり 土に吸われた
夜は ひとりだった
夜は あたたかだった
む ....
幼いハリネズミの背に
指を乗せると
ハリネズミが言った
あなたの針は
おかしい
雪に埋もれた砂浜に
もうすぐ津波が来るのだという
家を出てから十五分
家に着くまで十五分
海の反対側の坂では
家より大きな黒馬が眠っている
もうすぐ津波が来ると ....
西の空が
赤銅色に燃え残り
薄暮が辺りを包む頃
俺は拳を握りしめ
一心不乱に進んでいく
胸の辺りに蟠る
抑えがたい不安感に
鼓動激しく息を継ぎ
夕闇の道を進んでいく
西の空が
....
何故か放送禁止用語ではありません
偏向報道テレビ朝日ですら
坂口征二が繰り出せば
アホなアナウンサーが
平然と「アトミックドロップ炸裂!」と
叫んでいたぐらいです
そんなアトミックドロ ....
心掛けたい
笑顔で或ること
微笑んでいる顔みたら
近づいて診たい
どんないいことあったの
楽しい話が待っている
悩んでた問題が
いつのまの ....
目隠しされて
見えぬもの
耳を塞がれ
幻の声
つぶれた喉での
ひとり言
説明しない
語らない
言葉はいつも
完全ではない
とはいえ沈黙に徹する
....
流出する
網戸から ひんやり入って来る冷気のなかへ
私は流れ出し溶けていく
生きている 実感だけが鮮明に
意識をうっとり抱擁し
私は刹那 居なくなる
流出し続けるわたくしは、
自 ....
晩秋の日差しの中
庭先の洗濯物が
風に揺れた
わたしは黙っている
不安と静けさが同居する部屋で
神と向き合う
やがて平安に包まれるよう
愛に包まれるよう
ただ黙って待ち望む ....
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