雨宿りの二人
息は白いけど
寒くなかった
定休日の喫茶店
赤いテントの下で
空を見るあなたの横で
私は横顔を見つめる
このまま
雨が止まなければ
いいと願った
沈み ....
あー、こんだけあるとどれ注文していいかわかんないよねえ。じゃあこの本と……雨のはナシで。人気が高いから種類も多くてさ、全部頼むとほら、棚に入りきらないんだよね。うち狭いから。定番のやつと、新商品から二 ....
その肌は冷凍マンモスをみた夏に似てた
ちん毛のないぼくを終末のゆりちゃんが連れ去った夏に
氷みたいに眠るための巨大さがあった夏に
強化ガラスを隔ててぼくより未来に置か ....
白い空が
海のように
どこまでも
深く広がっている
月がクラゲのように
浮かんでる
じっとして
まるで魂のように
私を見てる
僕の声が聞えるだろうか
毎日毎日叫んで ....
いかがおすごしでしたか ほんと おひさしぶりですね あなたのことを
得体のしれないエネルギーだという人の話を ほんと何度もききましたよ
人々はあなたに出会うと ほんらいの姿を取り戻すだの心洗われる ....
母なる暖気
父なる寒気
そのはざ間で生まれる
梅雨前線
まるで
僕のようだ
やさしくて
あたたかい母
厳しくて
つめたい父 ....
爪を切る 紙の上に そして
私の指の折れ具合を見る
指を見て
いろいろを忘れる
髪を切る少し前 私は 襟足を
気にした
お前に渡したうす茶色い紙を
忘れた あの 例のペーパー ....
思い出の匂いに包まれて
僕は今日も仕事に出かける
僕の記憶の野原には
たくさんの思い出が咲いていて
とりどりの匂いを発している
どんなに苦しい思い出もかぐわしく
とりどりの色彩を競って ....
ばしゃあ ばしゃ ばしゃあ
そのシャッターはまるで、曇天の最中行われた花火の爆音に警鐘を鳴らす、鳥のわななきの様であった。さしずめ私を刺すフラッシュは、小鳥が花火を怯え、何者かかと照らす行為に等 ....
はるか空
最近は見上げることを
忘れていた気がする
それは足もとの水溜まりを
下を向いて避けながら歩く日が
続いているからだと思った
はるか空
そこには雨の工場があって
....
死ぬのは怖い
死ぬのは怖い
死ぬのは怖い
なんとしても死ぬのは怖いから
何とか死を回避する方法はないものかと
あれやこれやと思いを巡らしながら
何とか今日まで生きてきた
死ぬのは ....
まるで昨日と同じようなものを
ずっと遠くまで並べて
見事な演劇をしてるような
気分になって笑っている
なんででもどうしてでも
君には幸福を感じてもらわなきゃいけない!
すべての不幸 ....
とてもシュガーレスで甘い日々に乾杯
いつかか叶うかもしれない幸福論にさよなら
すといっくなクラプトンが好きだったな
ちょっぴりうち間違えをしたタイピスト
シドビシャスみたいな素直な凶暴 ....
膕の少し下
要するに
左の膝の後ろ側、ど真ん中の窪んだところの下側に
青痣ができていた
直径二.五センチはあろうかと思われる
ほぼ円形の黒ずんだ痣がそこにあった
薬指の腹で押してみても痛み ....
よみちゃんの従姉妹のみよちゃんの盗撮がはまちん先生の愛のムチを蛇に変えて理科室に追いやった放課後
体育道具をかたづけてるぼくとよみちゃんだけのグラウンドに大人びた喘ぎ声が響き渡って油蝉とツクツク ....
イージスアショア配備に
反対している奴が
よく分からない
うとうとしている役人に
居丈高に怒鳴り散らしている奴とか
ひょっとしたら日本人じゃなくね?
相変わらず
いつ死んでもおかしく ....
考えなしに
イイねなんて入れると
それで許されたと思って
自分で働いて生きて行こうという
気を失くします
(元々0に近いですが)
あなたがイイねをくれるまで
ずっとこの場所から
離れな ....
詩的小説 バス停「第3話」
バス停で彼を待つ
もう愛してはいけない人
でも好きでいてもいいよね
遠くにバスが見えてきた
緩やかなカーブをいくつか抜けて
見え隠れしながらやって来る
....
{引用=
こわれた家で待っています
むかし きいたことのある
こんな声、です
「死んだ子たちはけだかいので
星になったりしません
晴れ空に光がみちるだけです」
(おし ....
ほら、あの窓から記憶を
覗いてごらんなさい。
風が吹いてカーテンが
まだ、朝早すぎてだれにもふれられていない ひかり を孕んで揺れている。
そこにはかつてあなたの( )があった、と、重たく ....
うつろう時
黙りこむ
こころ
生まれない
詩たち
言葉にならない
こころの襞
たしかめ
たぐり寄せ
結びつけ
ひも解き
書きうつす
風がはこぶ
花のかおり
乙女のま ....
ああ
ぼくの心はまるで子どもだ
楽しみが近づいてくると
待ちきれず眠りも忘れそうになる
いざ眠ればそれを夢見る始末
そうなれば
忘れてはならない言いつけも
遊び飽きたボールのように
心 ....
巨大な宇宙の夕焼けが
今日も雨降りの向こうにやって来る
私も君も雨に濡れ
その時をじっと待っている
今日という日を取り逃さないため
在ることの不安に呑み込まれないため
祝祭の刻を、永劫の瞬 ....
些細な会話に植えられた
人を伸ばして育ててゆく一粒の種。
分け与えた優しさは感謝のこころとなって
何処かで必ず
大きくて明るい灯火となる。
父の遺影を眺めては
にっこりと笑う甥っ子。
あー・うー・とようやく声に出した喃語で
懸命に話しかけてくる。
死ぬことを自覚した少し前
最後に植えたくちなしの木は
一階の軒先よりも高くな ....
元気よく動き出す孫の手足を眺める
父の眼差し。
鼻とほっぺたにちょこっと触れて
「ママにそっくりだ。」と
口元を緩ませる。
喃語できゃっ・きゃっ・と話をされて
機嫌よく頭を撫でなが ....
去年の秋
星を探しに
小高い公園で二人
私が指差す方向を
まるで鉄砲を打つように
腕を掴んできた
どこ?
僕の星座はここだよ
この指の先
あのカシオペア座の下
君が ....
十数キロ走ると県境となる
トンネルの中心を境に、向こう側にいけるのだった
県境は六十里と呼ばれ、霧があたりを覆いつくしていた
前線に覆われた列島だったが、ここ数日は安定しているという
登山口に ....
自分の方が
何億?
ものすごいもろいくせに
見上げた空に
悲しくなる理由を
星の命を感じた
とか思ってんなよ!
乱暴な言い方ですが
とても清い心で
言われた気がしました
見 ....
わたしの大事な人形は
美人と言われた器量よし
ぬばたまの夜に家出して
レールに身を投げ轢死した
バカな恨みに身をやつし
身近な優しさ見失い
乙女の時を棒に振り
憂さを晴らしに酒浸り
昨 ....
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