見上げたり、聞こえたり、感じたり
たまに体の中に入ったり
どこにでもあるその色に
私はどうしようもなく
あの時感じた想像を重ねてしまう
同じなのに、もどかしい
私はわ ....
記念日でも無いのに
貰った時計に理由が欲しくて
安物のクォーツだけど
初めて認められた気がした
感謝を伝える気持ちまで
あと少し飛べたら良いけれど
ありふれた言葉も急いだままで
何かを果 ....
1
毎年この日の夜には
上原君の星が話しかけてくるはずなのに
今年は何も聞こえてこなくて
見上げても光が揺れることもなく
なあ、もう忘れちゃうよ
と、小さく嘘をついてみた ....
ぱらぱら毛布にくるまって
はらはら伝わる母の熱
雪降る街は寝静まり
時を白く染め上げて
束の間君を母とする
ぱらぱら毛布にくるまって
はらはら伝わる君の熱
雪降る街は寝静まり
時を ....
「背側側頭窓」からチーズケーキがみえる。
その表面にはいくつものき孔があいている。
が、たべてもおいしいだけで、孔の味は発見できない。
墜落した紙飛行機が海に沈む
無人の自転車が男を追い越していく、と
男は置いてきた遺書の誤字に気づき
慌てて家族の待つ家へと帰る
妻は夜更けまで
サマーセーターを編んでいることだろ ....
古い毛布にくるまって
そのほのかなぬくもりの中へ落ちてゆく
ときおり失った言葉を見つけ直したりして
なんで毛布が言葉を覚えているんだろう
そういぶかっている自分に気が付くと
ディスプレイ ....
今の今迄一緒に居たような気がするが
もう面影が思い出せない
誰だったのか
そんな風にして何と無く
かなしいようなやさしいような
記憶にならなかった経験の
ふわふわし ....
どれだけ着込んでも
どれだけ暖房を強くしても
寒さを凌ぐ方法をぼくはまだ知らない
寒いのは冬だからじゃない
寒いのは一人だからじゃない
氷点下を感じているのは
身体ではなくぼくの心
....
森の向こうに空があり
私の思考が漂っている
地水火風はその中で
好き勝手に踊っている
私の感情の底に哀しみ溜まり
虚脱の寒気はいや増すばかり
自壊か決壊か知らないが
私の思考 ....
バレッタを留めた君の髪の毛が
よそ見をしながら遊んだ日
うなじの模様に惹かれたら
心にも同じアザができてた
痛くはないけど少し恥ずかしい
こんな気持ちのままじゃ帰れない
いつまで待てるだろ ....
産まれる前に付けられた値札
遺伝子かも知れない
産まれた時に渡された番号札
列に並んで順番を待たなければならない
成長は言い換えれば劣化に過ぎない
生きると死ぬは紙一重
天気予 ....
雪がふらないから
雪だるまにさえなれず
春になっても、とけることができません
シャッターの降りた渋谷駅
俺たちはいっときの往生に浮かれ騒いでいた
生きることがあまりに長すぎて
なのに
なんの気まぐれか
俺はひとりになった
真夜中の交差点
で
ひとり撥ねら ....
水はぼくという暗闇を通り過ぎていく
空気もぼくの暗闇の中で膨張したり縮小したりする
太陽と月の関係のように
光と影の螺旋は何処までも続く
独りで生まれ
独りで死んでゆく
生まれることは ....
モニターの中では性具のような光沢を持つ拳銃をこめかみに押し当てたブロンドの若い女が眼窩いっぱいにまで目を見開いて笑い続けていた、それが冗談なのか本気なのかすぐには判断が出来なかったが、引鉄にかけた ....
波間で
花びらを
持とうとする
すごい 忘却の速さで
水のように
貴方の部屋にいた
そのことのすべてを
分かろうとするけれど
とても ....
僕はあの日のように
ひとしずくの水に戻った
水の精に魅了されたピア二ストは健在だった
瀧のごとく
怒涛のごとく
自由に偏在し
現れては消える
彼の日は今に
今は彼の日に
打ち寄せ ....
ひっぱってもひっぱっても
弾けてこの手を離れる
ここまで、ここまで、と
伝えたはずなのに
私の言うこなんて
そう、聞くわけがない
なぜ前髪はあるんだろう
いつもはなかった
....
あ オチタ
あ オレタ
あ コロガッタ
あ キエタ
もう 何も無い
ただ 結果だけが
自由な行為の結果だけが
ひろくひらき広がっている
高曇りの薄白い空の許
モノクロームの大 ....
風の流れと共に
半球を描いて
白雲が流れていく
哀しい目の名無し人は
気付けば人波に逆らって
白雲の後を追う
ああ風が吹く と
風を浴びる名無し人は
気流の鳴る音を聴きなが ....
花を知らない砂漠の女王
ミルフィオリの花を
いつか手渡してくれた人
砂漠に星の種を蒔く人
いつか一緒に行こうと言った
花を見に行こうと言った
ガラスじゃない息をする花を
いま ....
花びらを数えて
花びらに乗って
花びらで夢を見る
砂浜で雪を枕に
眠る貝殻のように
白く光る花びら
あなたの髪にいちまい
妖精がさして言う
私の口ぐせを
一人の部屋で
バラを見つめる
赤と黄色とオレンジ
花束を花瓶から抜き取り
茎を縛りぶら下げる
最後にもらった花束
あなたといた時間を
私はここに閉じ込める
ドライフラワーの ....
掌からすり抜ける水
砂の中の骨
早送りで咲いて散る花
骨に彫られた文字
一枚の夜の被い
火にくべられる絵画
壺の中の菓子
家から出ない女
表紙の千切れた古い詩集
頭を割られた男
鏡 ....
通販番組のトマトは未だ切られたことに気付いていない。
事件は既に発生しているのに、この国の警察はまだ動かない。
瞳の中を走るタイヤが
パンクしたのだと思う
つまづいたのはきっと
誰かのきらきらしている爪
僕は頬を引っ掻かれたような
何かに置いて行かれたような
フルーツパフェを食べられなかった
晴れ ....
今日も暖かい光
太陽さんありがとう
おはようございます いつも元気に
管理人さんありがとう
横断歩道止まってくれて
運転手さんありがとう
いつも ....
ねえ最速だよ、最速だよといって、宇宙のことは何か国語で話し合ったら宇宙に近づいた気がしただろう、ね、自分以外異星にいて、カクテルみたいなマイナス一等星、白色矮星、馬鹿みたいだ僕ら希薄な、コーラのような ....
う つになった
つ まづいてしまった
く つがぬげた
し にたくなった
い きることになった
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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