灯りがつくと胸が温かくなる
君が笑うと胸が温かくなる
君の笑顔は灯り
消えないでいて
消えてしまうとしても
瞬く花に夜が枯れては嘘を紡ぐと笑う君。
或るひとのことが心から離れない
胸がときめき締め付けられる
そのひとを思うと切なくなり
夜が一気に長くなり眠れなくなる
それはいつかとまた同じ
きっときみは笑うだろう
いい歳をして何を ....
水道水にヒマラヤの岩塩を溶かして
瓶に注いでいけば四〇億年前の海だ
空っぽの冷蔵庫の唸りとぶつかる
海鳴りに耳を傾けている台所の
卓上の猫たちの我がもの顔
原始の海に釣り糸を垂らす
僕 ....
バスには人形が乗っていた
窓の外を眺めるのも
母に抱かれる子供も
ハンドルを握る運転手でさえ
皆、焼け焦げたマネキンなのだ
*
エレベーターの隅に
風船が浮いてい ....
貴方の全てを
私の中に奪い取ってしまっても
それはもう貴方でないから
私は寂しいのですね
私の全てが
貴方の中に奪い取られたとしても
それはもう私でないから
貴方も寂しい ....
私の仕事は
人を裁くこと
私が、というより
法律と照らし合わせて
代わりに判断しているだけ
何の代わりかといえば
大きなものの、としか
言いようがない
それはとても
大きなもののよう ....
食パンの耳に独り言を聞かれてしまった。
どうしよう、はずかしい、あああー、ぱくっ。
優しさとは一体 どこから来たのか
風に吹かれて花が揺れるような
そんな感動を携えて
優しさとは一体 どこから生まれるのか
始まりも忘れた旅の果てに
得たものは両手では抱えきれない
....
疑い始めて聴き流してた
音がくれる歓びや哀しみが
どんな曲でさえ心を離れて
戻らない旅を続けるのなら
カレンダーの左端の箱に
生ゴミを捨てる怠け者では
宝物を置く場所も分からずに
ク ....
肥沃な土にまかれた種子
渇いた荒れ地に落ちた種子
そして平凡で普通な土壌で芽吹いた種子
その数の比率を数字にするまでもないだろう
平凡で普通が大半を占めている
それは
人間の社 ....
ゆーくんが演技を終えて高得点を出して
馴染みのくまのプーさんのティッシュカバーにポンポンする姿カッコイイ。
昨日と同じゆーくんでほっとした。
陽はすぐに暮れる。
晴れた日には外へ駐車しないか。
デパートの屋上。
隣は同じ背丈の介護施設。
山は夕焼けに染まり、
、まるで絵のようだ。
眺めてみろよ。
もったいないじゃないか、今 ....
記憶なんてさ、
いつかは星屑になってなくなっちゃうんだよ
つらくて悲しかったことなんてさ、
あっさり笑い話になんかなっちゃって
楽しくて笑い合ったことの方がさ、
残酷なことのように変 ....
いちめんの漆黒の空に
銀色絵の具を 振りかけて
秋 星座 またたく 地上には すすきゆらす風
生きて味わった苦しみが
嘘でもあるかのように消えていき
一日を そこそこ懸命には ....
腑を抜かれた魚の目が街を睨めている
斜視の感情は月光の行先を知らないので
真ッ黒く塗りつぶされた日々を燃やせない
虫を嘔吐する街灯はこうべを垂れて
舌下に縫いつけられた言葉に耐える
....
網戸の外は青い空
網戸の内は灰の心
青はあくまで深さ増し
鬱はどうにもどん底で
世界と私は無関係
私が無くとも世界は続く
ああ、全くそれなのに
涼風が肌を不意に撫でる
その ....
隠してなんかいない
見たければいつでも見るがいい
この傷痕
今では「痕」だから
痛みは無い
ただ残っているだけ
隠すつもりも無いし
見たければいつでも見る ....
あの葉っぱ
棘だらけ
触れたくない
踏みたくない
遠くから 高みから
眺めていようか
お他者(よそ)の反応
痛まない人 見かけたら
訊いてみるんだ
....
すずめ すずめ 今日はどうだった?
餌(え)も満足 遊びも満足
素敵だね 素敵だね
仲間もみんな無事だったかい
毛沢東には やられなかったかい
夜の寝床は どこなのか こ ....
右足の親指が
反り返ったまま
さっきから奇妙な音
何処からともなく響いて来る
薄暗い部屋の白壁の隅が
僅かに滲み明るんで
柔らかく括れ揺れ動き、
懐かしい影
ひとつ、浮き上がる
....
蜥蜴の紙の吹きさらし。
光見たもの消えうせて。
果たし果たされ闇の回。
ピーピー嗤う二頭の鳶。
自分を抱きしめた
両手を離し
翼のように
羽ばたく場所がある
誰かを温める
言葉の中で
開いた花みたいに
肌が触れる
ふりかぶって捨て去った
そんな、あやまちだらけの過去
時間に少しずつ
ゆるされてゆく
ああ、淡い残像
脱気して漂白した
形骸だけ
眺める
あまりに
諦めすぎたのかもしれな ....
君と私に世界はなかった 。
口を開いて世界を閉じて私も君も異なった話し方で世界を外れた言葉が声が異なるのほんとね 。
消えていく私が君に消えていく君が私に話したこと世界にない。。 綺麗だから消えな ....
ぽかんと ひとり
立っている
秋の青い空の下
ぽかんと ひとり
立っている
誰が来ても来なくても良い
もうくたびれてしまったよ
ただ一つだけいえるのは
この病んだ己のその奥 ....
ぼくが一番きれいにみえる
秋がきたよ
と月が夜に胸をはる
中秋の名月というけど
ぼくには迷惑だ
と夜が月に
言いがかりをつける
まあまあ
と雲が仲裁にはいってきて ....
水掻きは退化していった。
恋人繋ぎがしやすいように。
君といる日々は永遠のなかの芥子粒程の幸福と思うけど
金木犀のちいさな花のように慎ましいかおりかもしれない
風に聴き耳を立ててごらん
すこしぐらいつまづくのはかまわないんだから
部屋のか ....
葉っぱを落とした頭は軽くて
シャンプーするのが楽になったから
細長い腕を左右に動かし
僕を呼んでいる姿に見えた
両手で囲んだ幹の大きさは
季節を過ぎると忘れていくけど
側に近付いた時の ....
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