好きだった人の家
レンギョウの生け垣の向こうに
あなたの部屋が見える
いつも通り過ぎて
部屋の窓を見てた
また春が来て
レンギョウが私の想いを
まるで知っているように咲く
香りをい ....
小手毬が咲いた
垂れ下がる花を
子猫が手を伸ばして
撫でている
花の声が聞こえない
雪の中で生まれたばかりの
子猫はこれから
たくさんの花と出会い
蝶と友だちになり
ミツバチと会話す ....
要らぬ物が部屋の片隅で圧迫し
果てしない程の膿が溢れて噴火した
要らぬ家具の類に家賃なんて払えない
要らぬ物 要ると聞かれ要ると答えたリス
トラは要らぬと云ったのに
意 ....
空気清浄機が夜を吸いこみ始めたから
眠たげな目をした太陽が今日も出勤する
夜はなんだか悪いような気がして
なにもしていないのにごめんねと謝るんだ
僕はその表情に僕を重ねて
洗面台の前でひとり ....
「苦悩」
あかはちしろはゆき
あおはそらみどりはもり
まぜあわせないままに
絵を描いたなら
それは誰の血でいつ降った雪か
だれの目に映った空と森か
それを描くのは誰の指で
けな ....
ここに朝が
ものしずかに
何くわぬ顔で
並びはじめる
暗い間は よくわからなかった
私たちの影が
それぞれにはっきりと
目に見えはじめる
それでもなお影が
あるのは事実ではあるが
....
忘れた人は
裏切者
そんな不文律の薫る口約束
春、音もなくみだれる
風のまにまに
結んだ蕾、桜色の唇
震えるように綻んで
ころしてやる
忘れたことも
居合わせたことも
....
首を絞められる夢を見る
そっと首に
誰かの手が触れる
のしかかるように力がこもる
顔は逆光に陰り
歪んだ口元だけが鮮明で
どんな復讐も
届かない過去の中から
思い出したように時 ....
スペースコロニーとかで
コロナウイルスなんか
流行っちゃったら流星だろうね…
一雨ごとに冷たい風が流れて
冷たい肩越しを
冷たい春の日がすぎてゆく
たるい気分でいられりゃい ....
陽の光満ち、
無数の銀の矢飛び交うなか
私の意識は泳ぎ出し
遠く貴女の声を聴く
久しく憧れ懐かしい
囁くような貴女の声は
やがて天空に力強く木霊して
飛び交う銀の矢を震わせ
降って ....
*
芝生の上で
むっくり起き上がる
一枚の落ち葉
長い間のしかかっていた重しが消え
身体も乾いた
深呼吸すると
葉脈の透けた胸にも
風が流れ込んでくる
もう一 ....
真夜中近く
巨大な目ん玉のお化け達
天を埋め尽くし
ピカピカピカピカ
青白く黄白くまた赤く
揺らぎ明滅しながら
迫って来る迫って来る、
大雪原に独りぽつねんと立つ私に
小学五年の私 ....
コウモリだか
センザンコウだか
知らないが
腹減ったからって
何でも食ってんじゃねえぞ!
お前らの
その意地汚さが
み〜んなに
迷惑かけてんだぞ
分かってんのか!
ああԁ ....
風が強いから洗濯物を追いかけて
綿毛が背中を撫でていく、さよなら
踏みぬいてしまいそうな青い草地を
蛙が春へと飛んでしまったから
ひとりきりで立ってます
スイカズラの甘い蜜を分けあっ ....
大きな旗を振れば
君はすぐに消えてしまう気がした
羽ばたいてゆく翼の前で
青いものは温度を忘れていく
空やスカートやさよならの言葉
貫いた心を保存している
ジップロックを開けたい時は
君 ....
テレビの声が 音楽みたいで
きみの沈黙が 言葉みたいで
ぼくの目は みたくなかった
音楽が始まる。見過ごしてきたものを、ひとつ、ひとつ、記憶は、いつか逆流するものだし、私は私のふりをしていたいつかの私以外なのだし、私は、雨の時間を浴び続けている、灰色の、波。未来を誰よりも早く弾きたい ....
出逢いと別れ
多い春の時期
桜が満開になり
別れの寂しさを弱める
ピンク色の魅力
桜並木を歩けば
心にあるネガティブが
光を帯びた愛になる
何となく気持ちが前を向く
ピン ....
アルコールに沈んだ
世界がきらめいて
眩しさに
目を閉じてみる
ふわふわ夢の中で
遊んでいるみたいな
楽しい気持ちで
今から帰るよ
君の寝顔とか
そういう幸せが
僕には待ってい ....
深夜
歯ぎしりの隙間で生まれた妖精が
空気清浄機に吸い込まれた
朝
部屋全域に稀釈されたそれは
朝の炊事により換気される
昼
空気中の排気ガスは
確実に基準値を下回っている
....
ガラス細工の星
流れて落ちれば
きっと割れて
水平線に欠片が散って
夜光虫になる
動じることなく
宇宙の季節に
身を任せて
夜空に光の花びらが
降り積もる
永遠に変わらぬ
....
一つ季節を越えて
一年歳を重ねて
一人旅を始めたのが
昨日のことのよう
夢の中で夢だと分かって
覚めないでと願った日々
色はあせて
日に焼けて
気づかないうちに
すこしづつ
....
陽に透ける長い黒髪に
ウエディングドレスのような
白いジャスミンを編んで飾る
この香りがどうかあの人に
とどきますようにと
ジャスミンの茎を軽く噛んで
目を閉じて祈る
桃色の ....
掴めなかった糸なら
そっと肩に置いて
誰かに気づいて貰いたい
優しく振り払うよりも
その指先で空を縫うように
いつかの傷口を庇えるから
針を持たないで出会えたら良い
大の字になった糸屑は ....
嗅覚は、愛を見つけてくれた。
嗅ぐことは共同社会感情につながった。
嗅覚は、五感の女王であった。
しかし、彼女には笑いが足りなかった。
理性は、嗅覚からの超越を求めた。
....
今日の昼はランチパックのたまごを食ってしまった。
反骨心の欠片もない、従順な青年になってしまった。
社会は変化を望む
自分もそうで
でも、望まなくても変わっちまうよなあ
まあいいと思って
やるしかないと
気づいたらここまで来ていて
また気づいたら
こうして書いたことも忘れ ....
暗いと不平を言うばかりの人がいる
それを聞くにたえられずに
手探りで明かりをつけた人の目は
視力を失っていた
眩しい光は嫌いだ
たえられない
と言って
暗い部屋に籠る人
その心 ....
この世での光は消えてのち
また射す光、止めどなく
覚悟せよ
全ては〃進化〃の時流に乗り
大地が割れる感触を
肉に刻んて進み行く
この世に在る限り
この世での光は消え去って
....
ニュージーランド、アイルランド、ポーランド、フィンランド
すべてのランドが良い所ならいいなあ
世界中の船乗りがそう思っているころ、光雄も例外ではなかった
光雄は数えで十五歳
まだ ....
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