元気におなりください、って何回も言ってるお母さんの影にかくれてじっと、屋台の光を見ていたの。お地蔵様の赤いべべが汚れてしまって、お供えしたポッキーが雨の日に溶けて、わたしは蟻の道から欠片をとりあげて、 ....
平凡で退屈な夜を
ひとり歩く帰り道
少しだけ肌寒い静けさに身を隠し
誰にも内緒でタバコに火をつける
浩浩と光る電話ボックスの前で
立ち止まったわけを探す
蛾だった
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不変
変化
感慨
環境
君は絹ごし豆腐のファンだったね
僕は木綿のほうが好きだよ
と
話しかけると
どうして
木綿のほうが好きなの
と
君はふり向いた
コロナの時代は
何が起きる ....
冬の終わりに
ふと
雨が降り出す
雨に打たれて
ふと
今わたしを温めうるのは
人肌だけなのを知る。
僕は時々木の家に帰ることを考えている
そこへ向かい歩いている道の景色を 僕は
にぎやかな きっと 交差点の 今日という日に
鳥のように通りを見ているかのようにして
暗くなる前に灯りの準備をして欲しい、悪い夢を見ないに越したことはないから、静かな音楽を流して、狂気じみた思いを鎮めて、安らかに目を閉じることが出来たらいいね、こうして話してしまうと願いというのは全 ....
見えないが それは
熱の蛇が 這っているのだ
かんぜんな 石を湿らせ
なにもかもが黙る
熱の蛇が
這っていくのが見えない
街はいつも 叫んで ....
瞳からのぞくと
馬たちが みえた
日が薄ぼやけ
あたりは冷えて
草の においだけが
ほそながくかがやいていき
わたしたちの
愛はきえた
....
青い夜の風の匂い
君に包まれていたあの時代
虚無の底に引き摺り込まれ
虚脱しながら僕は嗅ぐ
そこに浮かび上がるものを
掴み取ろうとして
今、独り寝の床のなか
自らの熱を感じながら
....
「大地」
大地がぼくを落とさないでおくのは
それはやはり
大地がやさしいからだ
そうかんがえないと
「今」にいられない
「ゆきがふる」
あの子
ゆきにさわりたいから
....
本を閉じれば
そこからはじまる物語があるのを知っておいでか
カリグラフィの妖精たちが インクの森を抜け 随想のせせらぎを渡る物語を
ハキリアリの行列のような{ルビ亜拉毘亜=アラ ....
今日まであっという間だった気がする
母なる大地を旅立ってから
長い道のりを長いあいだかけて歩いてきた
海を渡り
西部を目指し
石油を掘り出した
進出し
征服し
理解し
制御し ....
無感覚の壁がある
その壁をとおれない感覚が
たえず壁際に降りつもる
無感覚の壁は
何を守っているのだろう
世界から自分を
自分から世界を
あるいは
自分から自分を
君の声がき ....
僕のグレたガラホは相変わらず寡黙なのだ
やっと取り引きして得た隙間に僕は住んでいる
今日と明日が条約を結んで握手しても僕は拍手しないだろう
だってやつらの隙間の全人代という茶番を許すのだもの ....
探しに行こう
探すものなんて何もないけど
探しに行こう
いつまでも空が青いわけじゃないから
傷付くことにも慣れた頃
ポケットが疼いてる
私の笑顔は誰にも見つけられない
それでもいい
....
花咲く頃に天使は旅立ち
氷の大地に降り立った
寒い寒い北の果て
天使は何を見つけるだろう
残された人々は
嘆き悲しみ
咲き始めた花さえ枯れてしまう
止める声も聞かずに
天使は氷の大 ....
日曜日の朝
カーテンを半分あけて
朝の光で本を読んだり
レコードを聴いたり
ささやかな幸せ
バッドフィンガーとリンダホイル
昨日髪を黒く染めた
早くおじいさんになりたいくせに
2杯 ....
人命は尊いと言うよりも
他人の生命についてはさておくと言うのが皆さんのホンネなんだよね
俺も正直そうなんだよね
命については自分第一主義
そして家族親族友人知人
だよね
見も知らな ....
桃の芽が膨らんでいる
蜜に満ちた大きな実になるのに三月
その前に花が咲く
あの桃色の
あの花が咲く
「象の墓場」
大地が肉あるものを{ルビ篩=ふるい}にかけてしまわないのは、それはやはり大地の優しさからではない。惑星の{ルビ核部=コア}に必ず一個はある象の墓場のお蔭なのである。琥珀に浮かぶを殊 ....
僕は昔
代官山でコーヒーを
ちょっと高かったが
飲んでいた あの日
目の前でいきなり事故が起きた
4車線で反対側の道からこっち側に右折しようとしていたクルマが
そっち側の道に渡ろうと停車した俺のクルマをさいわいにチャンス到来と渡ろうとしたら
俺の横からかっ飛ばし ....
晴天
どん底
歩くだけ歩いた
波しぶきの生む霧が
たいして変わらない毎日を覆っている
振り向けば
情けない日々が
変わらずくっきりと足跡になっている
フカフカの砂浜の波跡に ....
あなたの形見のランプは、魂の姿に似て
夜になると書斎の椅子に腰かける
僕の仕事を照らし出す
* * *
あの日
この世の時間と空間を離れ
自らのからだを脱いだあなた ....
現実とはと彼が切り出したので、言葉の続きを待った。
現実とは道だ。それも廃線だ。草が茂り、傍らにゴミが散乱し、どこからかガソリンの匂いがする。吐瀉物や廃棄物のシミが至る所に散らばっている。線路は錆び ....
何処にも行き着くことはなく
そっと明かりを灯すように
静かに確かに歩んでいる
過程にのみ意味が開き
繋ぐ意味に花が咲く
そんなひたむきな息継ぎを
ただただうつくしく晒している
(目眩くよ ....
世の中で一番の悪は
デブの女ではないかという説がある
和歌山のヒ素カレー事件も
練炭自殺装った連続保険金詐欺事件も
尼崎のドラム缶殺人も
今度の5歳児餓死事件の共犯も
みんなデブの女の仕業 ....
夕暮れは虹色の未来を映し、曇天な過去を模造する
どこへ向かうのかその視界をのせて、
なにを泣いているのか、何故に枯れ葉散るのか
ひとつの木に漂着した夢を見た、気がする
靄の中を奔り続け ....
千の自由が地面を覆い尽くす
千の不自由がさらにその上を覆い尽くす
魚群を追う影が一筋
誰にも渡すまいとして
うず高く積もれるか?
もっと自由になりたくて
空はどうだ?
あそこまで積もれる ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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