夢よ幻よ。やるせなくそして ひざまずく。
たとえば湿ったアスファルトと、推し量る
仄かに照り返すみちびき。
一本の露地のその先へ、
うちとどめなければならない
なにかを
砂 ....
君のことは分かるけど
あの絵だけは受け入れない
君が描いた絵じゃないけど
申し訳ない
好むことができないんだ
なんか分かるところが
君に似てる絵
君が描いた絵じゃないのに
そうしてきっ ....
お互いにコーヒーが好き
出逢いはよく行く喫茶店
コーヒーの話題で盛り上がる
コーヒーが繋げた恋愛
何処となく身体に染みついている
使う豆によって
味や深みが変わる
切ない気持 ....
突然、居なくなった君に
会いたくても
切符の買い方が分からない
どうしよう
この世界にまだ
君の寝息を授かる人がいて
くすぐったい夢を見る
枕ばかり高くなって
時間をやり過ごす ....
百万円と一万円とでは
重さが違う
札束にすれば明らかだけど
物理的な重さもあるが
心の中にも重さがある
何かを買う時なんかは
一万円なら気軽に選んでも
百万円となると
....
中3が中3
刺し殺したぐらいで
騒ぐんじゃないよ
小6女児が小6女児の首を
カッターで切り裂いたことが
あったじゃないか
珍しくも何ともないんだよ
97歳が25歳を滅多刺しにした
....
さよならから
気取ったドレスを脱がして
裸になった言葉は
背中の奥で暴れたまま
きっと孫の手じゃなきゃ
届かないだろう
住み着いて
名前を付けて
繰り返す
君の声
今
....
私だけを見て、わたしだけが知っている、
この夜は永遠に はるかかなた
まるで幻覚を具現化したみたいね
ただ原色が波打つばかりの
クレヨンをまき散ら化したような、
ポップアートな臨場感 ....
{引用=施錠された雨へたどりつくまでの足取り
輝ける虚空の大理石に屈服してしまうわたしの
一歩を待つ夜を繋いだ
白熱灯が光る死角を擦れ
吸った湿気る一悶着に
手を打ち鳴 ....
さざめいている
ざわめいている
私の頭のなかで
何かが、
輝いている
熱している
巨大な明滅凝視、、
近づいている
波打っている
揺れ廻り 廻り揺れ
予測 ....
ひとりに馴れたかなしみが
探してしまう、指さきの記憶
だれも来ないこと分かっているのに
探してしまう、川のむこうに
愛すべき人がいて
果たさなければならない約束もある
それなのにどうし ....
わたしの頭蓋をひとつ
ぽこんと叩いてごらんなさい。
きっとがらんがらん、と鳴るでしょう。
空洞なのです。
人が言葉で象られるなら
この空洞にひゅうと風の吹き込んで
体内で反響するものを ....
硝子窓のうちそとに
冬が満ちてゆくとき
光の言葉と影の言葉が
中空であえかにもつれあう
ひとまず
とりあえず
手遅れ
朽ちる
終わる
このまま
このまま
ちいさな、迷いの、
みえない、
硬い、戸惑いのプラスチックを、
決断の、とがらせた指さきで、
突きやぶって、
それから、送信の、まるで火災報知機のボタンを、
ほんとうに、
押してしまった ....
毎日すべての珈琲が
あたたかい国
街の真ん中には日時計の柱
海の上で
狩りを覚えはじめた小禽
無人の駅を震わせるピアノ
なめらかな不発弾
幾何形体
迎える身体が
どんなに拒んでも
....
穂渡りの君が
口笛を吹く
錦糸町にお蚕さんの面影を重ねてみる
ほら
そんなふうに季節を忘れた町に
探している何かを求めている
探している
穂渡りの君が
嘘をつく
....
ふるえる液体のように言葉をこぼす
その重なりの中のささやかな日常
計測地点からの風景
穏やかに心を柔らかくする
秋の夕暮れ、日差しの降った跡
乾いた血液はさらさらと夜 ....
紅葉の文様、その磨りガラスを叩くものが、
とんと鋳る
虚しいものだけ集めて終いたい
僕の中には それが軸になって
ぐるぐると塒をまく
ひかりだのやみだの、
どうせ狂ったように刺し混むだけ ....
{ルビ蜩=ひぐらし}の かなかなかなかなかなかなかなかな……と歌う歌声が
空へ心地好くひびく
一人 林の陰に立ち 傷を思う
傷の増えた この銀製の指輪は
あの人が亡くなった頃に求めたもので ....
きみはぼくのブルース
部屋にころがってるもんでできた
さびた機械
コップのなかにたばこの灰を落として
きれいに笑いころげる
きみはきれいだ
きみはきれいだ
きみはきれいだ
ぼく ....
雨
つめたい
銀の雨
腕を伸ばし
手のひらを広げる
空を見上げる
目を開く
降る
地に乾く
私を
すこしづつ
つかんでしまう
虹を風を
雲を
雨
光
....
素晴らしい朝は
岬の鴎たちが啼き交わす言葉までわかる
遠い希望は持たないほうがいい
ただ一瞬の充実が幸福論のすべてならば
そこに集力してそれが結果になる方がいい
それからが始まりだと ....
雨上がりの後に時間があると
少女は
いつも散歩にでかける
行く先は
街の高台にある
見晴らしのよい公園
ベンチに腰掛けて
虹のでるのを待っている
が
今日もまた
い ....
いつか旅立つ
だからできるだけ
わらって
損をしたとか
得をしたとか
そういうことではなくて
誰かよりとか
誰よりもとか
ああだから
そういうことではなくて
....
つぼみがゆれる こずえへと
つまさきだちして あとすこし
ちいさなゆびさき そらのえに
わすれないで わたしにくれた
あかるいえがお かわいいうたで
うたってくれた やくそくを
ね ....
轢死の残滓、まだ夏の在処の片隅に、凍る息を見つめながら、語れる言葉も無しに…そのまま、そのまま、塵のような雪に埋もれる、春になる頃に骨組みだけの姿でまた会えるさ、口笛は曰く付きのインストゥルメンタ ....
から だった
前進しようと思えば未だできたが
から だった
寝ても覚めても
あんまりからからと鳴るばかりで
もう嫌気がさしちまった
(なのに夢の空はまた
淡い淡い紅に染まり
何 ....
歩きながら感じた空の匂いが
秋の終わりを白息に伝える
また山の麓に立ち止まって
見上げた景色を瞼に遺す
階段を昇るあの頃に聞いた
唄は今は奏でられないけども
今 ....
傷ついた子供の頃を庭に埋め
その寒さ、苦しみを庇うのに
人を哀れんでは人を責め
人を憎んでは虚仮にして
生身の己れの無視をした
ごまかしてきたこの血管に
もはや血が通わないことに
気 ....
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