私が走らせた蒸気機関車は、よく知る町を通り抜け
床屋の駅を出発し、歯医者の駅を通過して
商店街が途切れた所で、踏み切りとぶつかった
動けなかった
驚いて見上げた先に
もっと大きな蒸気機関 ....
晴れた日の
坊やの散歩コースは
いつものように
街を一望できる
丘の上の
見晴らしのいい公園
ベンチに腰掛け
秋の景色を眺めるのが
好きで好きで
たまらないから
....
いつからだろう
わたしは
目的をもつことを止めた
ただ気ままに
気の向くままに
いきてゆきたい
そんなことができるものだろうか
そんな風にさえ思ったこともあるけれど
まあまあなんとか
....
時の狼についに追いつかれたようなので
私はおとなしく、魂を差し出しました
でもそんなものには目もくれず
彼はただ私の両手を奪っていったのです
そうして、残された足で
私はまた時の狼からの ....
ひたすらうずくまって眠るが良い
歯が、砕けてしまうまで
宇宙を諦めた猫達が
そう、教えてくれました
声にならない、にゃあで
ひとつひとつ綺麗に刈り取られた満月の
黄金色の 子のキミの
花も実もない雑草の名など
どうでもいいことだけれども
そのあたまだけ齧り、
すこし頂けるとするならば
秋の音も、すこしは
....
私の
何処かに
スイッチがあって
触れただけで
起こること
起きてしまうこと
さて
何?
爆発
そんなもんじゃないよ
もっと凄いこと
試してみてよ
責任は持たない
何処かにあ ....
静かな時計が刻む時間はいつだって死んでいる気がする、死体の時の中で焦点のない日々を生きて空を見上げるころにはいつだって太陽は姿を消してしまっている、ヴァンパイヤのような一日の始まり、でも夜通し起き ....
自称詩人がイイね欲しさに
読んでもないのに
他の自称詩人にイイねを入れることを
取り締まる法律が発令される
違犯した自称詩人は
死刑または死刑に限りなく近い拷問の刑に
処せられた上に
家 ....
表層を滑っていく
知識をたんまりため込み
現実的な人生経験を重ね
ひたすら
表層を滑っていく
君は私という人間を
遺伝子の単なる乗り物だと
運命に支配された存在だと
思慮深げに言う ....
肌をなぜて光るそよ風も
常に新しい
あなたも
初めての時を生きている
初めて また会えましたね
そうだ!
どうにもならない時は
天に任せるしかないと
友が言ってくれた。
....
朝 煙草を吸う朝
コンピューターを開く 血行はながれよく 生政治は正常
けれど無為の情況?
簡単に作ったゆで卵とチリドッグを食べる
食い終えたあとシャーペンをノックしてノートを開いた
今日も ....
大事なのは生きること死ぬこと
この大切な命を慈しむこと
光あれと叫んだとき
光はそこにあった
誰かの宝物だったかもしれないものが
もう地平線の向こう側だ
行ってしまうんだね
露店に並んでた西瓜も
川面に浸した指先も
翅の取れた蝉の死骸も
みんなみんな引き連れて
私だけ ....
悩み苦しみ 辛い悲しみ
瞬いていた星の光
いくつもの眠れぬ夜を越え
人知れず痛めた心
そんな時にどこからとなく
繰り返し聞こえる歌
迷い戸惑い嘆き哀しみ
隠し切れない胸の叫び ....
家族とだったり
友達とだったり
キャンプ場で過ごす
日常生活を忘れる
嫌なこと忘れる
日常では感じられない
日常では味わえない
様々なこと
キャンプ場の雰囲気
賑やか ....
無常なものが花開く
それは本当に美しい
それは本当に醜い
それは本当に恐ろしい
快と不快に身を委ね
気のおもむくままに会話する
すべての鬼火の営みは
過ぎゆくその場の温かみ
....
エリザベス女王の葬送を報道するニュースで
ス────ッと流星がひとつ流れたのをみた
それまでなんの想い入れもなかったけれど
きっとあの方は正しい嘘も
いっぱいついてこられた ....
茜色の煉瓦の校舎のドアが開く
貴女がその向こうにいるのが分かる
貴女もドアを透かして認知してる
「ああ、いるね」「久しぶり」
何も謂わなくとも全てを理解している
世界 ....
キラキラおもちゃの順番が空いて
変わった模様のペットたち
中にはウィンク不可のもあって
作りかけの名もない道に
横断歩道と外国風のシンガー
今日は伴奏無しで歌うね、と
メロロンロン
....
君は座っている
石畳の上、足を投げ出して
急な階段、手摺りに凭れるようにして
座っている
座って、僕を見ている
真っ直ぐに
作りかけの猛獣のような目で
悟り切った爬虫類のような息をし ....
雨 雨 孕む雨
雨 雨 流す雨
水がしばらく水でなくなり
再び水に戻る時
雨粒の間を 越えてくる声
真夜中の光が隔てる心を
多くの花が見つめている
誰 ....
岩の集落に刺さる虹
色を失い降りる鳥
横倒しの如雨露から流れる曇
ゆうるりとゆうるりと線路を覆う
家の何処かで
茎が動いている
片方だけ 葉が幾重にも重なり ....
咲かない花もあるんだそれは知っていた
目のまえに君がいる夢、跳び起きるあつい夏の夜
向日葵が「寂しい」と首を垂れる、茜に染まり
名前を ....
手を握って
抱きしめて
温めて、温めて
でも、
それだけじゃ足りないんだ
*
岩肌が凍り付いて銀に光輝く
あの雪峰の頂を目指そうよ
うねる青い海原に
我を忘れてジャン ....
馬鹿な真似はやめよう
きみの真似してのびてよう
いつ見ても酔ってる
どこで見ても酒飲んでる
あんな酒のんで
あんた長生きしねーよ
ニヤニヤ笑いながら聞いてる
喉の奥で凍りついてい ....
俳優というものは
化粧はするし
豪華な衣装も身に着けて
いつも演技という
仮面をかぶっている
観客はもちろん
俳優自身でさえ
それに気づかない事がある
そんな
仮面を ....
星の異なる空の下で
君の義理は通じぬだろう
潔癖さに救われる人もいる
けれど君はどうだろう
その夜の街は薄幸を灯して
優しい諦めが人を包んだ
誰も悪くないなんて ....
深紅の、極細の線が無数に、ありとあらゆる方向に投げ出された髪の毛のように散らばりながら作り上げた景色だった、びっしりと重ねられたその隙間を縫うように、白く、心許ない、かろうじて人のかたちであるかも ....
昨日を呼び 今日を帰すもの
砂上に残そうとした つま先が
後進する遠ざかりに沈む
星に飲まれる度に 新鮮な貝になる
奪われるものと 逃れるもの
空を螺旋に墜ちるもの
狙われていることに ....
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