雨の広がる匂い
土の匂い
黒みを増して
透明に変わる
アスファルト
つやりと光る
紅い新芽
杉の匂い
色とりどりの
揺れるパンジー
バス
窓に描く直線
囁く猥談
アナ ....
ぱっと広がる白い空から
ゆらゆら落ちてきた 見上げたら
一瞬だけ変わった
何にもなれなかった君が歩いてる 背負った猫背も板につく
後ろからもう一人歩いてる 木枯らしに当たったら砕けそうな
....
眠たいね
(そ)んなこたないさ
もう日がのぼってる
(そ)んなのは嘘さ
僕らは疲れてるし もう充分過ぎる位働いたよ
でもだれにくらべて
いつも誰かと自分を比べてたら
気づいて ....
林檎のかおりがする 天の河
もう随分と走ってきた
星へのひとり旅
白十字も恐竜の化石の海岸も通り越し
鳥を獲る人は、とうに降りてしまったし
銀のすすきの野をみるために
列車の窓を開 ....
空っぽエンプティの神様は
融通がきかない
シジフォスのように岩を
頂に押し上げる
朝から雨だと
出かける気がしないのは
小学生の頃から
変わらない
生きていることにテーマはない
....
雨が涙を少し残して去った後
生温い風のにおい
また春を積み重ねて
いつの間にか大人になんかなって
“新しい今の暮らしは愛おしいものです”
誰にどう説明すればいいのかも分からず
切なげな ....
いつからか
りょうしんのせなかに
はねがはえている
まだそらをとべるほどではないから
あんしんしてるけれど
それはすこしずつ
おおきくそだっていることが
あうたびにみてわかる ....
板が立てかけられているところに
通りがかって横目で見ていると
いい板だよ と呼び止められて
いい板なら とその気になった
でも板なんか買って
どうするんだろう
黒い油が浮いた板なんか
壁 ....
眠れない時計が
明け方を待っている
西を向いて
閉め忘れた
数センチの隙間から
冷たい夜が流れ込んできて
文字盤に触れたのち
硝子の両側で結露する
時刻を不確かに
温度差 ....
世界樹の底に
獣のように眠る
深い緑の牢番
あの扉を越えなければ
心配事はなにもない
蓋【おお】い被せるものが
哀しさならば
優しい雨露【うろ】に打たれよう
今も
痞【つか】えた 闇は
いつか 晴れると
信じて
瑞樹【みず ....
空蝉【うつせみ】に見えし
我の心鏡は
棚引く煙霞【えんか】なれば
一夜の夢の如く
砂時計が刻む瞬間【とき】も
また
永遠とも言えよう
流れ 流され ....
あまりに突然で
わたしは馬鹿みたいにさっきまでの笑顔をはりつけたまま
立ち尽くした
また子供の頃のことを思い出した
喜ばせようと思ったのに
ぴしゃ ....
輪郭は崩れながら鋭敏さを取り戻していく
遥遠として未来くらい手触りがなく
僕の向こう側で僕の知らない自分を噛み砕いて
ただ読むことも出来ない活字の内側に
足跡を残しては消していく
c ....
はじめに 言っておく
これから 乱雑で 長く 暗い 旅が始まる
生き急いでいる奴は
目を閉じて 耳を塞ぎ 無言で 通り過ぎろ それが無難だ
鼻を突く薄荷の刺 ....
こどものわたしの
ちいさなきもちは
いつもひとり
だれといても
どこにいても
おんなじきもちが
みつからない
おんなじきもちに
あいたいな
すこしおおきくなった
わ ....
中性的な空気 埃にまみれた
私は、望んでいる
私はそう「望んでいる」
目ヤニが溜まった白濁のハトも「…青になりました…」
....
心地いい。悲しみを何でもないこととして想像もしないことを考えている。死んでいけばいいのだが、ひどく疲れ果てている。そうしたことをのんびりとした平日の日に休むと言っている体だから、気が引けてしまう。新参 ....
宿題のない私は
上り坂の頂点で飛行機と出会った
青と白のきれいな紛争に
足を止め目を細め 見上げた
この旅はすぐに終わるだろう
私よりも早いだろう
この空にはとんびがいない
もういない
....
100426
ヤバイというよりも
お些末
こまったちゃんですこと
(炬燵の中野駅は途方に暮れる)
(納戸も悔やむが好いと)
(物置 ....
こうしてめぐり会う
影法師のように
どこまで逃げても無駄さ
君の両足が見えるかい
そうしてめぐり会う
時計の針のように
いくら逃げても無駄さ
君にその先が見えるかい
ああしてめ ....
日を浴びて
風にゆらめく木々の葉は
風呂に沈んだ我に囁く
まっ青な、あぁあまりにも、まっ青な
仰いだ空を、胸に写さん。
旅先の、風呂の{ルビ水面=みなも}に ....
ノートに「ごめんなさい」と書いたら
そのページを破って
紙飛行機を作ろう
夕日に向かって投げれば
しょっぱい気持ちで一杯だ
....
まだ体罰全盛時代
彼の装具が
体罰のネタに使われたことがあった
竹刀とか
木刀とか
バットとかのように
いわゆるケツ・バットだよ
いわゆるケツ・バットだよ
....
頭の薄くなった友人が
車の後部座席に老いた母親を乗せて
交差点を右折していった
すれ違う僕の車に気づかずに
ひさしぶりの幸せな笑みを口元に浮かべて
わからないことを後ろの席に語りかけて
そ ....
波紋を
覚悟で投げた
石が
上げる
水の音(ね)
勤め先近くに珍しい衣装を扱う洋服屋さんがある
どんなのかっていうとお笑いの人とかが舞台で着るようなやつ
スパンコールちりばめられた真っ赤なベストが店頭に飾られていて
開店直後らしい午前中の早 ....
強い決意が悪い事態を引き寄せる
そんな歪な予感を含んだ朝
煩いほどの太陽が空にあったが
ウェザーニューズは後雨だと告げていた
構ってる場合じゃない
濡れるか濡れないか分からないよ ....
スキムミルクは
生命を蝕(むしば)む夢
月の満ち欠け
平伏(ひれふ)するオマエ
魚じゃねェか
飛び跳ねたのは
2000ccの洞穴
また消えた
....
春は抱かれ
燃える
緑が芽吹くにおいに居て
眩む
むせかえる
しびれ
新しい手足を産むときの
吐息
甘く
金色のひかりを浴びて
たくさんの顔が歩く
小さな子に
人種について ....
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