イヤフォンは有線で
曲がり切れない孤独が
頭の中で渦を巻いた
長いノイズは
トイレにも流せないし
寂しい未来を想像する
ずっと信じて来た人に
感謝されたい訳じゃなくて
ただ愛さ ....
すこしだけあさく ゆるくこぼれるさむけを
ありふれた小細工を 折り紙でしたため
拭うようなテンポで 春を眩クラっている
つじつまを合わせた かぎ針を用いている
工程も比重もない、チェックメイト ....
雨が
少しばかり
降った夕、
円に閉じ込められ
濡れそぼった
喧騒の街が
内側から
破裂しそうに
なりながら
青に黄金に
風は吹き
吹き続け
一日の針を
進め ....
高架橋の手前で母子とすれ違う
歩道へ吹き出してくる走行車の反響音
二車線道路が湖岸の県道まで下っていた
すれ違った時
赤子はカラフルな膝掛けに包まれていた
ちょこっとだけ小首 ....
溌剌と
朝の風、
ひんやり受け
ふわり進む
陽の光に照り輝く
公園の緑、生い茂る葉に
排気ガスの白煙もんわり
車列は続く、街道の奥まで
陽の光の下歩く僕、
騒音と静かさの狭間を
....
物体や
さまざまな存在に
役目という命がある。
私の万年筆には
書くという役目の命がある
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
仕事で硬化した私は
社会に消費されて一日を終える
駅からの帰り道
我が家に近づくと
三階の角部屋に灯りがともっている
この部屋こそが妻と子の部屋
この灯りに膨大な愛が集約されている
この ....
アハッ
雨のなか、走ってきたよ
出された水をぐっと飲み込んで
プロポーズした
でもきみは
窓の外は目まぐるしく動いているから
せめてわたしたちはこのま ....
シヲカキマスシヲカキマス
ソレシカデキマセン
現実は、
当然あるものでも不可知なものでもなく
掴み取られるものだ、
知覚と思考で あるいは 直観で。
そしてその営みは続くのだ、
死ぬまで肉体滅ぶまで
その手前、かろ ....
夜の上水を歩く時に目の前の暗黒と後ろの暗黒の継ぎ目がなくなる
ごうごうごう、と発電機が鳴る場所の街灯はずっと夜のままだ
欅の大きな木が暗黒を作っていた、そうわかったのは月が見えたからだ
塾の ....
翼はあげないよ
と鳥がいった
人は進化の頂点ではないし、そもそも退化かもしれないので
と考えている間にも世の中は刻々と変化する
美味しく生きよう
昼前は肌寒かった
ごろごろしな ....
その日の空は画用紙に、水彩絵の具の青を薄めに溶いてから
ほんの少し白を混ぜて丁寧に塗った様な色だった。
山裾を走る県道の側に建つ総合病院で、予約の外来診療を終えた僕は
急な傾斜が緩やかに ....
朝に目覚めて
濡れ光るアスファルト、
無数の影、映し
傘、さしたり ささなかったり
遠く近い山並み、蒼く連なり
冷たい風吹くなか
人、忙しい営みに生き
人、愛し愛され裏切り裏 ....
対話型の人工知能チャットGPTで
「会津を舞台にした恋愛ドラマを作って」と
入力したら即座に文字が流れ出てドラマ現れた
タイトル「雪の舞う会津で恋が咲く」
第一話 主人公の綾瀬結衣は、都会 ....
神の可視化
行為としてではなく内なる皮膚の芽吹きとして
肺呼吸を強制された魚だった
光の泡がはじけていた
見晴らしのよい死者たちの丘で
まとう心象もなく声はすぐに散ってしまう
....
この世に生まれ落ちた瞬間から
長生きレースの号砲が鳴る
けれどもこのレースの勝者が
必ずしも幸せだとは限らない
平なところに
和して
平和
いいところも
悪いところも
あって平
悪いところ 引かなくていい
いいところ 足して 足して 足して
だれも 足さなくても
僕は 足す
ひととひとへ、繋ぐ糸は剥がれていきます
たくさんに撚り合わされたものも、どうせ必ず滅びるものです
ほら小難しい顔で/畏まってはどう致しましたか
決してもむず痒くはありませんか
い ....
目の前を黄色や白のちょうちょが
ひらひら飛んでいる
弱肉強食の自然界の中で
無防備にひらひら飛んでいる
亀のようなかたい甲羅も持たず
蝮のような強い毒も持たず
鷹のような鋭い爪も持たず ....
高原で野営する
鋭い冷気に
脚を震わせる
焚き火台で
爆ぜた火の粉が
ひとつ ふたつと
空へと昇り
風に流れて消えていく
魂のようだった
僕は思い出す
毀たれた幼獣の宝物や
....
湖に浸したあなたの肢が
いつかの母親と同じ色になるとき
水鳥は穏やかな声で鎮魂歌を歌う
水面のさざめきは最期の指先
朝日の差し込む、もう動かない台所
その食卓に
並べられた写真はも ....
ひらかれる
わたしの意識
ひろびろひろびろ
かぎりなく異界の感触
内から内底から湧くように
霊性帯び現れる在るもの在るもの
まどろみの
覚醒のさなか
わたしは実に平静だ
....
君と出会って
一秒の間に
星を溶かすほど
熱くなった
この指で
約束したんだ
誰も信じなくても
震えた命は
ひとつじゃないから
もっと先まで
信じていたい
僕等は同じよう ....
主旋律だけ辿り響かせ
垂直に時 輪切りにし
断面に 瞬間、開ける
この瞬間の輪輪輪輪
連なり眩暈して、
時 新たに生成され
星一つ見えない濃密な夜空の時に
叫んでみても何一つ ....
もんじゃ焼きは
食べたことがない
お好み焼きと云えば
当然
『普通の』
お好み焼き。
キャベツ山盛りの
モダン焼きでもないのに
うっすいお好み焼きっぽいのに
焼きそば ....
外国人が多く出入りする地下鉄烏丸御池近くのビジネスホテルの一室で浴槽に湯を張る
浴槽の縁近くにある排水溝に湯が流れ込み始め、
おれは縁を越えて浴室の床に湯があふれないように慎重に身を沈めていく
....
会社の敷地内にある
貯水池
アシかマコモか
つんつんと緑、日ごと明るさ増して
今朝も彼は来ている
渋い濃度ある黄金色の水面で
伸びてきた若草は
彼の青灰色した全 ....
桜や空を綺麗だなと見ているうちに
忘れてしまったという
何か用事があるといって
父は出かけたのだが
記憶がなくなるというのは
もしかすると幸せなことかもしれない
世の中のやらなけれ ....
<懐に、> 《なまぐさい余ナァ》――《めまい》
骨組みの折れた (なんぼんか) 扇子 虹色の
風を嗅いだような 気がするだけの 夢見ながら
――――――斜めに授けた ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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