ガラスドームに納められた臍帯届の吐息でしょうか
鏡に移した蒼穹と対岸は臙脂のコテージに存在を求 ....
薔薇の蕾
キャベツの穴、
覗いたら
何か蠢いた
卵の殼割れ ドロッと
己の内、 ....
子供のころの
キーホルダーだの
ネジだの
なんだのかんだの詰まったクッキーの缶
実家から
....
春だというのに肌寒く
しとしとと降る雨が桜を散らす
まだ咲き誇る姿を見てはいないのに
水分を含 ....
なんにもない
不安もなければ恐怖もない
絶望もなければ希望もない
ただただ熱持ち静か高揚し
....
机の上で
アレはこうして
コレはああして
この角度は写りがよくて
ここにはフタ ....
それが一匹、目の前にいる
それは狂暴ではなく、捕獲も容易だが
肉が硬く、臭くて食べられない
....
私は死のうと考えて、
まるで朝から夢見るみたいに
一生分の溜息を、呼吸している。
私は誰に ....
1.夢のあわいにて
ホームベーカリーだけが
空虚をこねている午前4時
退屈した彗星が
....
世界が暗いので、相対的に私は明るい
雨だ。一弦を鳴らし、
耳に少し明るすぎる音を確かめて、
....
淡々 降り続ける雨、朝の
しずかさ 穿ち
すぅと冷気孕み
規則正しく輪を広げる路面の水溜まり
....
世界の総人口が
八十億人に増えたのは
あの世からこの世に
逃げ出す人が
増えているからだよ
....
生きたい生きたい
死にたい死にたい
何か満足する度に
死にたくなっちゃうよ
ここで終わらしゃ ....
積もり(の)
桃(の)
{ルビ舞踏=Tanz}(こそ)
檻(だった)
....
まぢかに雨の感じる夜
屋根がある
布団がある
申し訳ない気もちになる
雨の強 ....
たい焼きを尻尾から食べて
おわかれの儀式にした春
なにもなかったけど ....
僕とだめになってよ
僕とだめになってよ
たばこやめるから
こころ忘れるから
僕とだめ ....
夜の酒場で
言葉の手品師が
流れ弾に当って死んだ
あの人は詩人でした
種も仕掛けもござい ....
力を抜いて抜いて抜いた先
静かな静かな水の底
冷たくはない
暖かくもない
炭酸の泡の千分の一 ....
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