日常の流れは緩い朝な夕な
壁に孔を拡げ 雫が吹く
濃淡の斑雪 朱と碧に菌を誑した
蝶々の足 ....
風は吹いている
独りの個体がその風に乗せて
内底から溢れる声で歌う
私の生は貴女たちに負ってい ....
朝が来て
夜が来て
そのどちらにも
間に合わなくて
花だったら
咲いたら散れる
氷だ ....
弱い時期を越えて
今の強さを手に入れた
バランスの取れた強さがある
勢いも当然必要だけど
....
イリアス・ナディは、ほっと息をついた。
「それでは、あなた様は必ず、わたしの元に戻って来てくださる ....
「ははは。あなたの思われることは、杞憂ですよ。
わたしは友人を救わねばならないのです。そして、
....
「イリアス殿。わたしは決してあなたが思うような、清廉な人間ではありません。
幾多の血を流して来ま ....
さるすべりの紅、蝉の死骸
車列は延々と、行き交う人々
陽光は降り注ぎ、時は流れる
私という ....
羊が鳴いている
嵐の吹き荒れる草原に
たった一匹だけで
メェメェ、と
あの羊は
はぐれ ....
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