とくべつな愛されかたをしたかった
紅色の、燃えるような声で。
まるで悲しみを ....
高円寺で弾き語りやりますって告知の最後に
ときどき現れる「バー鳥渡」の読み方を知ら
ないまま今日 ....
ひと粒のキャンディーが舌の上で溶けて無くなる前に
いつも噛み砕いてしまう男が馬乗りになって
犬に ....
それが
あと1ミリ
ずれていたら
君はすごい美人で
たぶん
出会わなかった
....
広い公園をぶらぶら探検
女の子が嬉しそうに背筋を伸ばして
自転車を漕いでいる
いつのまにかゆっ ....
「あ」
と言われたら
「にゃ」と言いたいのかも
....
○
手乗り文鳥が
籠から
彼の手に飛んで来た
しかし手が
あまりに冷たくて
肩へと移 ....
あの 夜はひとりで寂しくなかった。
ただ、貴女がいないのでとまどった。
....
地域の総会に出席した
年が少し上というだけで
年下の人を呼び捨てにしている
叱りつけるような呼 ....
団地が出来た頃
家は疎らで
寂しいばかりだった
今は完全に団地になって
家族の楽しい声が ....
桜舞い散る晩春の朝だ。
風は未だ冷たく、貴女の頬を赤く染める。
故郷の庭では椿が咲き誇 ....
新しい明日を迎える為に今日という日のスーツを脱いだ。
街角の雑踏、裏通りの饐えた匂い、散乱 ....
鼈甲に似せた眼鏡
美容師により造られた髪型
痩せた身体
そして学歴とか賞与に革靴
矜持、強い ....
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