[33]こひもともひこ[2014 04/08 03:25]

 生の偉大なる全体【インテグラール】は、丁度幾何学者たちの積分【インテグラール】がゼロに近い量で構成されているように、こうした無に近いもので構成されているのである。

 能力の起源は我々にはわからない。何故ここにはある才能があり、かしこにはちがった才能があるのであろうか。誰がそれを知っていよう。我々はいつかそれを知ると自負することさえできるであろうか。

 レオミュールがすでに書いた蝉の博物誌を、また書くということは、先師の知らなかった一つの取り柄がないかぎり、不必要である。

 伝統の密林の中に時おり斧を入れることはよいことである。既成観念の束縛を振り切ることは有益なことである。真
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