[26]……とある蛙[2011 05/23 10:01]☆
が三本
駱駝の顔は大きい。
近づくと遠近感が微妙に狂ってくる。
顔のでかい駱駝は
ゆっくり歩いているようでありながら
実は人を食らっている。
駱駝の暗い情動と視点が
夜空のグラディエーションに
朱色の帯を入れている。
濁った朱色の帯
砂漠の端に生き残った子供が
胡乱な眼で
夜空を見上げている。
僕はこの絵を見ているうちに
子供と一緒に夜空を見上げていた。
そして、
二人して赤い月に吸い込まれていった。
絵を見ていたはずの僕は
今、裏側から子供と一緒に
自分の部屋を眺めている。
各章ごとに視点の揺れと時間軸の揺れを微妙に書いたつもりです(笑)。そのうち書き直す可能性がありますが。
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