[272]田代深子[2004 09/17 01:04]★1
チェは「よしわかった、もう一度!」と書きもした人ではなかったでしょうか

 私は現在、岡真理の『記憶/物語』という本を読んでいます。彼女が模索しているのは、
物語の(不)可能性−語ること、表現することの〈出来事〉からの乖離−を自覚しつつ、
いかにその〈出来事〉を当事者と分有し、語っていくことができるのか、ということです。
物書きとしては、まさに歩くだけで血まみれになる針の山を進んでいる。(この私の書き
方もあまりにいい加減な物語ですが。)
 かつて岡真理の『彼女の「正しい」名前とは何か』を読んだとき、こうした態度に、私
は目から鱗が落ちたような気がしたし、同時に、それはあまりに困
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