[190]田代深子[2004 08/21 01:41]★2
石畑由起子「足」について

 あまり魅力を感じる詩ではない、というのが正直なところだ。

  二ヶ月ぶりに会って
  しばらく動けなくなるくらいのセックスをしたあと

という導入部のインパクトがすべてであろう。詩においてインパク
トは必ずしも重要ではないわけだが、インパクトを狙って書いてお
きながら、終行に到るまでそれを食いつぶすだけになっているのが、
いかにも力不足の感を抱かせる。内容の質の良し悪しではない。言
葉の力が足りないし、言葉に対する入れ込みが足りない、と感じら
れるのである。

 なぜ自分が詩を好み読むのか、また書くのか、と考えるに、詩に
は「事象に対応
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