[623]クローバー[2010 11/17 10:48]★2

ただ、生きて使える虫と、死んで使えない虫がいて
使う前に仕分けないといけないみたいだ。
まず虫を口に含んで味わう。
きれいな水を張ったおけに吐く。
肥料の虫が水に浮かぶか沈むかで最終的には見分けるらしい。
嫌悪を感じながら口いっぱいに、含む。
うぞうぞと動く、やはりあまり気持ちのいいものではない。
味はしない。
別に噛まないので、体液は出ない。
それから、ぺっと吐く。
水を張った桶に、ぱっと広がり、ダメな奴は、
水に絵の具を落としたときのように、
溶けているような様子で、
鮮やかな色を体から出しながら、ゆっくりと沈んでいく。
さっそく、両親は柄杓で桶から肥料の虫を掬って、畑に撒きはじめる。
僕は、虫を吐いている。
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