自由詩
のっぺらぼう/HAL
が狂っていた証だ
そのことを医者には言わなかった
言えば俺の扱いはより悪くなる程度は知っていた
でもこうして娑婆に出て驚いたのは
行き交うひとのすべてがのっぺらぼうだったことだ
10年以上もTVや新聞に接してこなかったせいだと最初は想った
その仮面は高精度のコンピュータを内蔵されたものだと想った
のっぺらぼうになっても視力は良くなり視野も視界も拡がり
喋らなくても誰とでも会話ができるものだと想っていた
きっと心は顔の表情に出てしまうし声も変化する
そうならないようにひととひとが穏やかに接する為の
顔全体を覆う最新鋭のマスクのようなものだと想っていた
でもそれ
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