自由詩
培養/A道化
 



ゆる、ゆる、何度もまぶたは
まぶた、と知る。
いないあなたを知らず
カーテン、と知り、朝、と知る。
行き来する仄明るい青に促され
ゆる、ゆる、まぶたは
ぬくい水、と知る。


そのまま
まどろめ。
何度でも内側に入り浸り。


お別れの為の黒目の
一滴はぐれてゆく魚卵型の痛みを
ぬくく、深く、沈めるも
ほら、
細胞の、
ぬくい水面から春が息吹いてしまう、そのことで、
神様の春が更にまた香りを重くする、その、
成り立ちを知らずにあなたは、春を、
ひとつ摘みひとつ滅ぼす。それを、
許しながらわたしはその部位の彩度を何も、
知らずにまどろむ、何度でも内側に入り浸り、
知らずにいることを許されている内側の、
わたしの、


ああ、体中、春だ。
卵細胞の、光だ。
何もかも、春だ。
細胞分裂の、痛みだ。


2008.4.12.
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