古典詩ほうらむ(初段)/ぽえむ君
今は昔、をとこありけり。
片田舎に住みければ、いとあやしき箱にて文を交じらふ。
箱の中に、あまた集ふ詩歌の会ありて、よき歌には人々
より数を賜る。
思ひ起こして歌をばと箱の中に投げ打つも賜ず、詞だに
なかりければ、流れ早く失せにけり。
うちひそみてえ歌はじと思ひつるも、歌を愛づ心ありけむ、
とどまらず歌も涙も流るるも
歌の心を箱にとどめむ
と詠みければ、心をさまりけり。
昔人は、かくいちはやき雅をなむしける。
(現代語訳)
今では昔の話になっしまったが、男がいました。
田舎に住んでいたので、とても不思議な箱(パソコン)
を使
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