ペイター「ルネサンス」 (4)/藤原 実
貫きます。それは、時に、まるで、神からのメッセージのように、眩しい」
(『小説教室』(高橋源一郎著/岩波新書)
「ことばの内容と、形が、ぴったり一致している」、「ほんとうは「うた」だから」、「一つ、一つの、ことばを聞いているのではありません。そこに響くものを聞いている」------これらはほとんどペイターが『ルネサンス』で言っていることと同じだが、高橋さんは、ペイターについてはどこにも触れていない。でも、きっと読んでいるだろう。それはこの『小説教室』という本のなかで、かれが一時期、吉田健一に心酔して
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