小詩集【にゃお。】/千波 一也
 
い、でしょう
   あどけない
   髪には


  おそれなくても大丈夫
  抜け道はすぐにも
  向こうの方から
  訪ねてくるから
  大丈夫


   雲のすきまで
   いたずらしながら
   待ってておいで

   すきなら、
   ね





七 軒先



   軒先で待っているのは
   はじめての雨


  覚えるばかりでは
  砕いてしまう
  なにもかも

  降る音も
  そそぐ景色も
  かなしい無限として
  砕かれてしまう

  一粒よりも
  はるかにもろい
  ただ一匹の存在に
[次のページ]
   グループ"【こころみ詩集】"
   Point(7)