小詩集【水没ハーモニー】/千波 一也
 
 おちることも
  平等にかなうところ

  なげきもよろこびも同じことかも知れない
  いたみもあこがれも同じことかも知れない
  だからきっと、

  続きの言葉は波間に託してオールを流した



  公平でなければ
  こうかいは終わらず
  こうかいは始まらないから

  公平であるためにオールを流した





三、水の廃墟


  みなもとの名を水だけは忘れない


  やさしすぎるのかも知れないけれど
  そうでなくては 
  なにも生まれてゆけなくて
  それを知っているから
  水は

  弾丸という異物を迎えるこ
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