小詩集【レトロな猛毒】side.B/千波 一也
れぬ
いのりをはこべ
いずれの岸辺がふるさとか
一途なさわぎに
まみれて
むやみ、
それゆえ波間は
あかるく
くらく、
砕けるいのちは
ひたすらに
あお、
いつか奏でた
うつくしい響きの
いつまでもなつかしい、あお
かえり着きながらも
すべり落ちることを
降りしきる、三日月
みちをもとめることだけが
みちではないような、
昔がきこえる
かぜの庭
ささやきはつめたい
飾られたすえの飾りではなく
ただまっすぐに
願いにまわれ
くるくる、
と
こまやかに鳴るきびしさに
覚めて、
冷めても
いのりをはこべ
さなかの、清流
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