小詩集【レトロな猛毒】side.C/千波 一也
 

つなぎ忘れて椅子に闇
照らされるほど
おかしな粒が
なじみます

透ける、すき


手にしたものに捕まって
幾度と知れず
ゆめ渡り、

その首を振ってください
縦でもよこでも


疑うことなどいたしません

それより急いで続きますから
疎遠なしらせも、
身近なうそも




二、硝子カクテル


自然ななりゆきに
透きとおるため
染まり尽くして


澄まないかなしみを住み慣れた手に
いかにも軽く鍵は転がり
避けながら、呼ぶ
まばゆい
ひかり


情熱の火をはずかしめた日は
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