メモ/はるな
物事が自分の外側で起こっている。いつもだ。
春が来て行ってしまう、しかしそれも私の外側にある。
インターネットもセックスも季節もナッツ・ケーキもだ。
半月前に流産していることがわかった。これはよくあることで私に責任はないと医師は言った、わたしは涙が出てくる目をおさえて聞いていた。自動で脚をひらかされる診察台、膣にさしこまれるなにものかの器具、白黒の液晶画面、世界が収縮している。黒い小さい錠剤を処方されたので飲んだ。
そうしてひどい痛みがやってきて、それだけはわたしのものだと思った。
ほんの小さい、つくられかけの胎盤がはがれおちるだけの痛みを耐えるために、わたしのからだは、夜中じゅうぎ
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