祭祀クーラスとエインスベル(十)/朧月夜
エイスベルは、得意としている雷撃の呪文、ヨーラ・テルを放った。
十人の衛兵たちは、皆その場に崩れ落ちる。
しかし、この魔法も祭祀クーラスには通じなかった。
(クーラスは、あらゆる防御用の装身具をつけているらしい……)
「ヨーラ・テルごとき、わたしには通じないぞ、エインスベル」
「それでは、これはどうかな? 祭祀クーラス」
エインスベルは、ヒアシム・カインを縮小したような魔法、
グウェネス・アルバを唱えた(これはなぜか、虹の魔法石だけでは発動しなかった)。
祭祀クーラスの足元の地面が縮小する。
これは、空間の力場を変化させて、相手に動きを封じる呪文なのである。
「何と! オスファハンめ、とんだ弟子を作り上げたものだ!」
祭祀クーラスは、その高慢な気性にも関わらず、思わず叫び声を上げそうになった。
「これが最後だ、クーラス!」エインスベルは、炎の範囲魔法、ゼークト・ウラガ・ザインを放つ。
そして、転移魔法を使ってクーラスの部屋からジャンプした。
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