アイソニアの騎士の決断(六)/朧月夜
「いいでしょう。行ってきなさい、アイソニアの騎士よ。
アースランテ王朝の貴族の娘、イリアス・ナディとして、
あなたに命じます。あなたのなすべきことをなしてください。
この国、アースランテは、今やあなたの手腕にかかっています。
あなたがクールラントの国に帰化するのであれば、それを止めはしないでしょう。
わたくしは貴族として、あなたの身の上を案じます。
それは国家のためでもあり、わたくし自身のためでもあります。
この国の繁栄、そして復活は、あなたの手にかかっているのです」
アースランテの高貴な貴族の娘、そのような事情は今まで周到に隠されていたものであった。
ア
[次のページ]
前 次 グループ"クールラントの詩"
編 削 Point(1)