ヨランの挑戦(十一)/朧月夜
「この世界の理? ここがそれほど異質な世界だと、あなたは言うのか?」
居ても立ってもいられないといった様子で、アイソニアの騎士が尋ねた。
アイソニアの騎士は戦いには慣れている。しかし、謎解きのごときは、
エインスベルや盗賊ヨランの仕事だった。彼には、剣のみしかなかったのである。
女はゆっくりとうなづく。「ここ、ハーレスケイドでは、
許された者しか、その宝を得ることは出来ません。資格が必要なのです。
人として、生命体として、いかに生きていくのか、そして、何を目的とするのか」
「目的? それはただ一つだ。善意のためだ。正義のためだ」
アイソニアの騎士は、ヨランを押しのけるよ
[次のページ]
前 次 グループ"クールラントの詩"
編 削 Point(1)