ハーレスケイドでの戦い(七)/朧月夜
ソニアの騎士のような精強な戦士のみである。
盗賊ヨランであれば、魔剣ゾフィアスを持ちあげることすら、覚束ない。
「騎士どの、目を狙ってくださいませ。その怪物は、目から光を発します!」
「そんなことは、分かっている、ヨラン。だが、こいつには百もの目があるのだぞ?」
その通りだった。エビ・グレイムには百、いや百をも超える目があった。
どの目を狙えば良いのか? 百の目をいっせいにか? それは、ヨランでも迷うところだった。
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