世界の真実(七)/朧月夜
「そうだ。わたしは世界だ」──オーマルに憑依したエランドルの声が言った。
「エランドル様。あなたはいったい何をお求めですか……?」
ヨランは、その一言一言が、何を招くのか、といった恐れに苛まされながら、問う。
「お前たちと同じようなことだ。我は、愛した者の復活を望んでいる」
「けっ。そんなことか。『世界』とのたまう者が、貧相なことを言う」
アイソニアの騎士は、憤りに駆られて暴言を吐いた。
この旅を邪魔する者など、神であれ何であれ、許せない、と思っていたのである。
しかし、そこに割って入ったのが、エイミノアである。
「お待ちください、アイソニアの騎士様。たしか、わたしは聞いたことがあります。
この世を滅ぼしたエランドル・エゴリスには、愛した者があったと。
その者のためであれば、エランドルは世界を元通りにしてくれると……」
「そんなものはおとぎ話だ。それに、『元通り』とは、何だ?
世界は、このように厳然としてあるではないか。元通りの世界など、ない!」
「いや、あるのです、騎士様」──と、盗賊ヨランが引き継ぐ。
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