アイソニアの騎士とエランドル(十三)/朧月夜
「一体何が起こったのだ?」アイソニアの騎士とヨランは、驚き、叫んだ。
「案ずるのではない。奴らが暴れ始めたのだ」
「奴らとは? ドラゴンたちのことですか?」
「そうだ。今奴らは、怒りの最中にある。それは我への怒りでもある」
「お前への怒り? ふん、当然だな。この世界の支配者たらんとし、
彼らを愚弄し、操り、意のままにしてきたのだろう?
支配者など、所詮は仮初めのものに過ぎん」
「そうかな? ドラゴンたちは、意識共有体なのだ」
「それは何だ? 今ここで関係のあることなのか?」
「大いに関係がある」エランドル・エゴリスは、呵々と笑った。
「どうやらお前も、自分の命は大事らしいな。見よ、彼らが怒れる魂を」
「ここへと迫ってきます! アイソニアの騎士様! エランドル様!」
「さよう。彼らは怒りに駆られている。全てを飲み込み、すべてを破壊し、
そして、世界を再生させるのだ。自然なる我らが姿へと……」
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