暮れなずむ恋の坂みち/りゅうのあくび
はす向かいから
零れ落ちる夕陽が
暮れなずむ坂みちの
眩しい道のりに
差し込んでいて
初秋の太陽に
焼かれた自転車は
夕焼けにすっかり染められて
たったひとつの恋を
こいでゆく
ハンドルを思いっきり握って
帰りみちを登りきる
車輪をつなぐ鎖の回転は
平凡な日の終わりと
始まりみたいに
今の恋が巡るよう
ゆっくりと坂道を
こいでゆく
すでに背中へと迫る夜空は
紺色に染まって
星の微かな灯りからそれるようにして
太陽は夕空を照らして
陽射しは暖かく
車輪のペダルをこいで
一本しかない帰りの坂道を
しっかりと登り
こいでゆく
坂道の途中で
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