ヨタハチ/竜門勇気
もせずに座布団を勧めてお茶を入れてまいりました。
八「おうおう、ヌケ作よゥ。」
大「あなたね、私ゃ仮にも大家ですよ」
八「大家で間抜けの、大ヌケ作!」
大「・・・ったく。まぁいいや。ささっと用件をいいな。私も暇な身じゃないからね。」
八「詩の書き方を教えろ。断ったらひでェぞ!」
大「なんだってえんだい。お前さん。この前教えたばかりだろう。5.7.5で季語を入れるんだって」
八「たはぁ。遅れてやがるな、そいつァ俳句だ。時代は自由散文詩。現代詩って言うんだ。ルールに囚われてちゃいけねェのよ。」
大家の旦那はため息をついて答えます。
大「だからお前は長屋で与太の八兵衛と呼ば
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