Miz 8/深水遊脚
 
ろう。もっと普通の豆でよかったのに、マスターは一番高いハワイコナを用意してくれたので、私の機嫌も直ってきた。その滑らかな口で聞いてみた。

「知り合いかお客さんのなかに、スダマミズ、という人、いない?」
「さあ、聞いたことのない名前だけれど。それに知っていたとしても教えることはできないよ。何で?」
「ううん、知らなければいいの。一昨日ノートをみていたら、その人の名前が出ていた気がしたから。」
「僕が自慢することでもないんだけれど、そのノートの詩、けっこうレベルは高いみたいだよ。」
「そうなのか。私、書いて良かったのかな?」
「いい線じゃない。男を振るための詩にしては。一人だけれどこの
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