初対面のふり/深水遊脚
 
ないから会う楽しみもあるし、今日みたいに好きなものを持ち寄って並べて、そのときを楽しめたらそれでいいんだと思う。クーポンありがとう。使うかどうかはわからないよ。僕もそんなに稼ぎはないし。だから、今このときを楽しんでいたい。」
「もう一回、お蒲団に入る?」
「ううん。その美味しそうに食べている姿を少し眺めていたいな。」
「もう会えないよ。多分。して欲しいこと、我慢しないほうがいいよ。」
「それじゃ、下着姿になって。」
「裸よりも下着姿がいいの?」

頷いた。変わってるね、と郁子は脱衣所の籠から下着を取りだして身に付けた。僕もトランクスを穿いた。

 持て余すだろうと思っていた料理は
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