野良猫あるいはルンペン(全)/……とある蛙
 
空の留置施設で
何の弁護もなく
何日でも勾留されよう
違法であろうと違憲であろうと
この地上に生きるに必要な術すべは一切持っていない俺は
何日でも勾留されよう
そして、地上において持てる全ての詭弁で
詩を一篇書き上げるのだ。



  おれが歩き始めた港町
 鴎が去って、鴉だけがうようよいる
 古臭い歌しか唄わない詩人たちが
 古臭いことこそ正しいことだと
 言わんばかりにおれたちの居場所で寛いでいやがる。
 横柄な態度や失語症患者のような言葉には慣れたが、
 どうにもこうにもあの薄汚い形(なり)には何とかならないものかと
 
漁師たちは活発に水揚げ作業をこ
[次のページ]
   グループ"猫"
   Point(8)