原風景4/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
 
よって支配されているなと、感じられた。
 現場に戻ると、悪いとは思いつつ罪もない雑誌たちに自然に怒りをぶつけた。誰かと話をする気も、すっかりとなくなっていた。
 このままでは、絶対に終わらせない。
 就業時間が終わるまで、一念が続いた。

 工場から歩いて十分ほどで最寄駅だった。
 仕事が終わるとすぐにそこまで歩き、とりあえず近くの本屋で労務関係の本のコーナーを探し、目当ての本を見つけ読み出した。
 今頃、権藤は一杯やっているのだろう。
 思うと、さまざまな妄想が、殺意とともに目の前の空に浮かぶ。
 立場もあるから仕方がないことではあったが、事務所内で見せた、憐憫の情のひとかけら
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