原風景4/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
 
「屁理屈言ってんじゃあねえよ」
 権藤と言う名前のその担当は、もう六十過ぎにもなるらしいという事なのに妙に元気な小柄の男だった。土気色の肌に酒に焼けたようなものが混じり合い、脂乗りしている。坊主頭より少しだけ長く刈られた髪の毛の底が、鈍くぼんやり光っているのも見え、長年の使用で洗濯してもくたびれが取れない作業着の中で、頸にかかった白いタオルだけが妙にこざっぱりしてまぶしい感じがした。
 こういうタイプの男が、屁理屈云々、などと言う時はどんな時かは、もう決まっている。
 話を、一刻も早く打ち切りたい。
 それだけが頭の中で一杯になってるということだ。
「とにかくだ、辞めてもらう。わかったら
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