雨のこと/はるな
 
の雨とは、すこし親しい。激しくても弱くても、少し親しい。たぶんわたしが深夜に活動しているからだとおもうけど、そういえば深夜はいろいろなものと親しくなる。ファクスや冷蔵庫や、窓際のトックリランやプリンタや、文庫本やアルコールや窓枠なんかと、深夜には昼よりも少し親しくなる。そうして雨の夜には、いつもの夜よりももっと近しくなる。お互いに干渉しないけれど、お互いに邪魔だとも思っていない、静かな共犯者のような感じで。

それから、ときどき、雨の日にはお弔いをする。
いろいろな、小さなものへのお弔いを、思いだしたときにだけする。
あざみのとげのようなちいさくて鋭いまちがいや、薄皮のような後悔は、ふだん
[次のページ]
   グループ"日々のこと"
   Point(4)