夏のこと/はるな
備があった。わたしは委員ではないから、準備には加わらなかったけれど、その様子をみていた。夏やすみに、わざわざ、面談のためだけに学校によびだされて、窓から文化祭の準備をみていた。話のつうじない担任とひねくれたわたし、窓のむこうの熱気、わらいあう文化祭委員のひとたち。夏も、せかいも、わたしの遠くにあった。わたしはそこに参加したくても、参加したくないふりをしなければならなかった。それが自分に与えられた役目だというふうに。「まだ自分がどれだけ若いのかわからないほど若い頃」。
あれからしばらくたって、(つまりいくつかの夏を過ごして)、わたしはわたしがまだ若いとわかるくらいになったけれど、でも夏を思うと
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