寝るまえのこと/はるな
 

夜になったら娘はわたしの手をひいて、底へつれていきます。わたしたちはくたくたの毛布をひいて横になり、しばらく転がって遊びます。
彼女のちいさくて厚ぼったい手のひらがじょじょにあつくなっていき、それから頭のうしろもかんかんにあつくなり、そして足のさきまで温まります。彼女の柔らかい合図をわたしはみのがしてはならない。娘はいつも、わかるように示してくれる。わたしはそれを受け取ります。
実は、母娘というのは、もっと理解しあっているものだと思っていました。とくに産まれてすぐの娘と産んですぐの母というのは。実際はそんなことはなく、わたしは娘の考えていることや、口に出すまだ言葉になるまえの音がなにを意味
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