寝るまえのこと/はるな
 
意味しているのかを理解することができない。ただいくつかの経験から予測したり、彼女の表情から感じとるだけです。そしてそれは、思っているよりもずっと、(自動的に理解するよりもずっと)安らかなやりとりです。そこにはわたしたちの信頼があります。理解できないまま信頼できる、安らかさです。わたしははじめて、こんなに他人から愛されたと思いました。生きているのや、生きていくのは恐ろしいこととおもってたし、今もそう、でも、わたしは、なんだか20年ぶりくらいにほっと安心したような心持がする。
眠りのふちで娘はわたしに鞠のようなからだを寄せてくる。わたしは、娘のひろい心に、わたしのちいさな心を寄せてねむるのです。


   グループ"日々のこと"
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