?
揺られながら あかりが消えて行くと
鷗のように眼をさます
朝 真珠色の空気から
よい詩が生れる
?
ちつぽけな一日 失はれた子たち
あてなのない手紙 ひとりぼつちのマドリガル
虹にのぼれない海の鳥 消えた土曜日
?
しづかに靄がおりたといひ
眼を見あつてゐる――
花がにほつてゐるやうだ
時計がうたつてゐるやうだ
きつと誰かがかえつてくる
誰かが旅からかえつてくる
?
あかりを消してそつと眼をとぢてゐた
お聞き――
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