霧の様な死あるいはナルシシズムについて/立原道造を読む/渡邉建志
 
ので、僕はその夜の中でもっと孤独になっていく。澄み渡るような孤独感だ。


■手製詩集「さふらん」より コップに一ぱいの海がある (全文)

コップに一ぱいの海がある
娘さんたちが 泳いでゐる
潮風だの 雲だの 扇子
驚くことは止ることである



■同詩集より 忘れてゐた (全文)

忘れてゐた
いろいろな単語
ホウレン草だのポンポンだの
思ひ出すと楽しくなる



この二編を「だの二編」と呼びたいのだが、、、実にこの「だの」がいい。
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