霧の様な死あるいはナルシシズムについて/立原道造を読む/渡邉建志
.jp/cards/000011/card899.html 一 爽やかな五月に(部分)
はじめての薔薇が ひらくやうに
泣きやめた おまへの頬に 笑ひがうかんだとて
私の心を どこにおかう?
この、はじめての薔薇が ひらくやうに という比ゆがたまらんです。彼がよくつかう一文字スペースが、独得の漂う感じを出しているような気がします。
■同詩集より 八 午後に(全文)
さびしい足拍子を踏んで
山羊は しづかに 草を 食べてゐる
あの緑の食物は 私らのそれにまして
どんなにか 美しい食事だらう
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